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どうなる岳南鉄道
 

きょう2月1日、富士市議会全員協議会(以下、全協)が開かれ、当局から「岳南鉄道の現状と課題」「都市活力再生に向けた取り組み」「富士駅周辺地区市街地総合再生基本計画の策定」「介護保険料の改正」の四項目について報告がありました。


 いずれも市が直面している課題で、2月定例会での予算化や改正に向け事前に市議会に報告、理解を得ようという狙いも込めての報告。

 うち市民が関心を寄せ、存続に向けての署名運動も展開されている「岳南鉄道の現状と課題」をピックアップしてお伝えします。

 

 岳南鉄道は昭和28年1月20日に全線が開通した富士急行グループの私鉄。JR吉原駅と岳南江尾駅を結び、その全長は9.2辧

 

 半世紀以上にわたって製品の輸送路、住民の足として利用され、貨物輸送量は昭和44年に年間100万トンを記録、旅客輸送は昭和40年代のピーク時には500万人を記録しています。

 

 しかし、その後、トラック輸送時代やマイカー時代を迎えたこともあって平成22年度の貨物輸送は10万トン、旅客輸送は77万人と大きく落ち込み赤字経営。現状、不動産部門の収益を投入し、市の営業助成(平成23年度は2,000万円)も受けて存続を図っています。

 

 こうした中、昨年1216日に開かれた富士市公共交通協議会で岳南鉄道は、「JR貨物から来年4月から貨物輸送の休止通告を受けたことにより鉄道事業を存続させることが極めて困難になった。自助努力も限界」とした上で、「今後も維持・存続していくことが適切であると評価されるのであれば富士市には相応の公的支援を講じていただきたい」と要望しています。

 

岳南鉄道への対応を迫られた富士市は、内部検討を重ねており、1日の全協では、「どう対応するのか…」の市長発言が注目されたのですが、議員の質問に答える中での発言は「今後、慎重に検討を」にとどまりました。

 

全協で示された資料によれば、鉄道事業だけをとらえた平成22年度の費用は27,3446,790円、収益は21,0808,570円で、差し引き6,2638,220円の赤字。

貨物が休止(事実上、廃止)される平成24年度見込みは費用が24,7107,000円と減るも、収益の縮減幅は費用縮減を大きく上回る15,7736,000円で、差し引き8,9371,000円もの赤字。

赤字額は平成22年度対比で2,6731,000円と増額となります。

 

 不動産部門の収益を投入し、市から年間2,000万円の営業助成を受けて存続を図っている中、単純計算で、今後の岳南鉄道を存続していくために市は赤字増額分を上乗せした年間5,000万円余の営業助成が必要になる、という勘定です。

 

 富士市は、平成17年4月に策定した「富士市公共交通網整備に関する基本指針」で、市内の東西の公共交通整備の決め手として道路と鉄道の双方の走行が可能なDMV(デュアル・モード・ビーグル)導入構想を打ち出し、そのルートは東海道新幹線新富士駅→東海道線富士駅→富士、吉原両中心市街地を道路モードで運行し、岳南鉄道に乗り入れて線路モードで運行、さらに岳南鉄道の終着駅である岳南江尾駅と東海道線東田子の浦駅との間も道路モードで運行。

 

 しかし、導入構想に基づきDMVを開発したJR北海道から車両を借り入れて試験運行まで行なったものの初期投資(266千万円〜701千万円)が巨費、加えて運行の採算面にも課題があることから市議会側に慎重論が台頭、市民の間にも「地域のコミュニティ交通の整備を優先すべき」の声が強くあがり、現状、宙に浮いた格好です。

 

「岳南鉄道を、今後、どうするか」では、「そのDMV導入の是非も含めての必要性の検証が必要だ」と思っています。

 

「廃止・廃線となった場合の復活は無理」とされるだけに、時間的な制限がある中でも多角的複眼思考をもっての市の判断を期待したいものです。


 
富士市での試験運行されたDMV(富士市のホームページから)


 

左が岳南鉄道車両、右がDMV車両(富士市のホームページから)

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