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先進事例ゲット! 九州視察報告パート
 

自分、海野しょうぞうが所属する富士市議会の会派「耀(かがやき)」は、1月18日から同20日まで熊本県熊本市と福岡県八女市を視察研修で訪れました。

視察研修は、全国各地の先進的な取り組みを把握、提言という形で市政への反映を目指すことを目的にしたもので、視察研修は報告書にまとめ、議会事務局に提出することになっています。

パート機▲僉璽鉢兇吠け、二回にわたって、このブログで視察研修の内容をお伝えします。

なお、記した内容と執筆は、会派所属議員5人が意思統一を図っての共同作業によるもの。また、ブログは口頭語としていますが、報告であることから文章語で記しています。ご了承下さい。

     視察研修パート


・熊本県熊本市の「熊本ウォーターライフ・日本一の地下水都市」に  
 ついて

・文化振興計画&文化振興指針について

・熊本城を活かした観光振興について 


【目的】

 熊本県熊本市は、県庁所在市で、人口は736,355人(平成2311月1日現在)、世帯数は313,612世帯、面積は389.53銑屐6綵において市の人口は、福岡市、北九州市に次いで三番目。日本三大名城である熊本城を中心に発展した一極集中型の都市で、平成24年4月1日から中核市から政令指定都市に移行することが閣議決定されている。平成23年3月12日の九州新幹線全線開業により中九州エリア及び南九州エリアにおける拠点都市機能の充実、発展が期待されている。

 この熊本市は、富士市と同様、水資源に恵まれ、それを活かし、「熊本ウォーターライフ・日本一の地下水都市」をキャッチコピーにしたまちづくりに取り組んでいる。

今回の熊本市における視察研修では、その取り組みの把握とともに、富士市の課題の線上で、「文化振興計画&文化振興指針」、さらに「熊本城を活かした観光振興」の把握も試みた。

 

【研修内容】


「熊本ウォーターライフ・日本一の地下水都市」


 18日午前6時に富士市役所を海野議員の車で会派「耀(かがやき)」の5人は一路、九州へ。

富士山静岡空港午前8時15分発のFDAで福岡空港へ。地下鉄で博多駅へ。九州新幹線で熊本駅へ。乗り継ぎのタイミングが良かったこともあって我々一行が熊本駅前に立ったのは午前1150分。富士市からの所要時間は約6時間。「近くなった九州」を実感する所要時間だった。

「熊本市役所は駅からタクシーで10分程度」と聞いていたものの、駅前に市営路面電車の駅があり、そのハード面の整備状況や利用状況の把握も絡め路面電車で市役所へ。

 ハード面の整備状況は進んでおり、安全対策も十分。一極集中の城下町であるからことから乗車率も高いようだ。

 

熊本市役所では議会事務局職員の出迎えを受け、議会棟会議室で、それぞれの担当者から事業の説明を受けた。


    熊本市議会の議会棟玄関前で…


 担当者が入室するまでのしばらくの間、窓に広がる風景に見入った。そこには、日本三大名城の熊本城が広がっていたからである。


 

    議会棟から望む熊本城

熊本ウォーターライフ・日本一の地下水都市」について担当者から受けた説明の概要と感想は次の通りである


 

   議会棟会議室で担当者から説明を受ける

 

●熊本市は、30年以上にわたる地下水保全の取り組みが評価され、
 2008
年第10回日本水大賞グランプリを受賞しているなど水への積極 
 的な取り組みが際立っている。


●市役所前にも小川が作られて湧水が流れており、市役所脇では地下
 水が飲めるようにもなっている。


●水道局以外に水保全課があり、同課は、水量・水質の保全を目的と
 している。「環境保全都市宣言」を行い、平成20年7月に改正熊本
 市地下水保全条例を施行、まちぐるみで水質保全に努めている。


●我々の興味を引いたのが、地下水の涵養を図る水田湛水事業。熊本
 市の水を守った加藤清正の田んぼが少なくなってきたため、5月か
 ら10月の間、水を張っておく農家に補助金を支給し、
地下水の涵養
 を図っている、という事業だ。水田湛水事業は、土地組合に調査を
 依頼し、事務員一人を市で補助している


●名水100選事業にも取り組み、水遺産登録制度を平成18年度より始
 め、現在83か所ある。


●その他にも「水守制度を実施して3年目になる」という。

水守制度とは、市民による登録制度で成り立っている。市民の自主
 性が感じられる大変面白い試みと思われる。

例えば…

 ※熊本水遺産の湧水地の世話人は→湧水水守

 ※地下水を涵養する農家は→地下水涵養水守

 ※東京在住で地下水都市PRする人は→宣伝水守

 ※水の名所案内ができるタクシー運転手は→ガイド水守

 ※熊本の地下水研究家は→研究水守

 ※料理を通じて水のおいしさをPRする料理人は→料理人水守

といった具合である。


●「
くまもと水検定」も行っており、昨年12月で3年目。「1級と2
 級の取得者には水守制度に登録してもらい、“エズコ”の講師等に
 派遣したい」という。エズコとは、観光できた方々に、水の散歩コ
 ースとして回ってもらう事業で、市内に張り巡らされた路面電車を
 活用して熊本市の名水地を回ってもらう、という構想である。
水検
 定の主催は熊本市で、310万円で九州未来研究所に委託している。


●「蛇口を回せばミネラルウォーター」をキャッチコピーにして水ブ
 ランドの立ち上げも図り、新幹線降り口や市役所横などで気楽に水
 が飲めるようにし、シティープロモーションによる水ステッカー・
 水シールなどで、くまもとの水の宣伝を始めたところである。水ペ
 ットボトルは宣伝くらいで、まだそれの販売で収益が上がるほどで
 はないが、「2月19日の熊本市民マラソンでは水ペットボトルを配
 布予定」という。


 

「文化振興計画&文化振興指針」


「熊本市文化芸術振興指針」の概要版をもとに担当者から熊本市の文化振興への取り組みの説明を受けた。

 平成15年に「熊本市文化振興計画」を策定し、その後、平成22年に「熊本市文化芸術振興指針」を策定している。


 その基本理念を「人とまちが元気になる文化創造都市の実現」とし、以下、三つの方針を基軸にしている。

   文化芸術活動を活発化し、市民の文化力を高める。

   歴史と自然を生かした熊本らしい都市文化を作る。

   文化力で活力あるまちづくりをすすめ、都市の魅力を高める。


 特に、現在、力を入れて進めようとしているのが、市民・民間・行政などの参画による「アートセンター」の機能整備である。


 現在、福岡市に一つ存在。博多リバレインという再開発ビルの中にあり、チケットピアの機能も備えている。熊本市も、再開発に合わせて、ホールを持つアートセンターを計画中である。「ホールのフリースペースにはコンシェルジュのような人材を配備し、アートマネージメントをやっていただくようにしたい」とのこと。

さらに、「ホームページで市内の文化団体の情報の一元化もしたい」とも。


 説明からは熊本市の文化振興担当者の「文化の街くまもと」への意気込みが強く感じられた。

 

「熊本城を活かした観光振興」


 この「熊本城を活かした観光振興」は、当初の視察研修では予定に入っていなかった。応対してくれた議会事務局職員が「新しい施設を誕生させたので、ぜひ、視察を」と勧められ、急遽、訪れたものである。


 その新施設の名称は『桜の馬場
城彩苑』で、施設の位置付けは“熊本城のエントランス”。広大な熊本城内の一角に建てられ、平成23年3月5日にオープン。総合観光案内所のほか歴史文化体験施設や飲食物産施設などから成り、管理・運営は指定管理者に委ねられている。

 文化体験施設は最新のハイテクを駆使して「熊本城とは…」を伝えているほか、江戸期の体験コーナーを設け、役者も登場する異次元ライブも上演。職員のホスピタリティ(もてなし)のレベルも高く、官民一体となっての観光振興に向けての意気込みがハード、ソフト両面から感じられた。


 
新施設『桜の馬場 城彩苑』(バックの建物は飲食物産施設)


 

    江戸期の体験コーナー(籠体験)


 

      職員から説明を受ける



【研修所感】


 熊本市は日本三大名城の熊本城の城下町として発展。近年においては豊富な水資源により清浄な大量の水を必要とするIC企業の進出も相次いでいる。昭和
40年代には日本電気と三菱電機の工場が建設され、平成の時代に入ってからもソニーや富士フイルム、サントリーなどの工場が建設、稼動している。


 こうした中、「熊本市は平成
23年3月の九州新幹線の全線開業をチャンスとしてとらえ、観光都市への変貌を目指している」を感じ取ることができた視察研修であった。


 こう記すと、「すでに熊本市は熊本城を軸にした観光都市で…?」の質問を受けるかもしれない。


「熊本市は観光都市」、これは間違いではないものの正確でもない。


 熊本市は、昭和
35年に、明治10年の西南戦争で焼失した天守閣を再建。その後、しばらくの間、復元工事は中断していたものの平成の時代に入った10年に復元整備事業をスタートさせ、17年に飯田丸5階櫓、20年に本丸御殿大広間を焼失前の資料に基づき忠実に復元している。

 その取り組みは、ケバケバしい看板が立ち並ぶ飲食物産販売などの経済活動を抑制した熊本城を歴史遺産としてとらえたもので、「本城を訪れる観光客は多いが、宿泊してくれる観光客が少ない」という課題を抱え込んだままとなっていた。


 今回の視察で把握した豊富な水資源を前面に出し、観光スポット化のみならず食にも結び付け、水検定も実施などの「日本一の地下水都市」や城下町文化を広く発信していく「文化振興計画&文化振興指針」、さらに『桜の馬場
城彩苑』を誕生させた「熊本城を活かした観光振興」は、「九州新幹線の全線開業をチャンスとしてとらえ地元経済が潤う宿泊型の観光都市への取り組み」という言葉で総括されよう。


 富士山の文化遺産としての世界遺産登録が現実味を増す中、今回の研修視察は富士市が観光都市を目指す上で多くの示唆を得ることができた。その示唆を言葉にすれば「富士山の景観保持、文化遺産としての価値の発信は、行政が担うべきものであり、その取り組みが富士市に可及的速やかに求められている」である。

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