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被災がれきの広域処理は凍結すべき
 

 時として巨大な問題は、初歩的な疑問を抱え込むもの。311東日本大震災で発生した大量の被災がれきの広域処理問題も、しかり…。

 

「被災がれきの処理なくして被災地の復興はなし」と、国が全国の自治体に木材チップ化を図った被災がれきの焼却処理を要請。富士市も受け入れ方針を打ち出し、安全性確認のための試験焼却に向けての準備作業に入っています。

 

 この被災がれきの広域処理に「放射能汚染を拡大するもの」と声高に反対を主張する声もありますが、自分は、「安全性が確認されれば受け入れ、焼却処理をすべき」が基本的な考え方。

 

 しかし、「被災地及び被災された方々のためにできる限りのことをしなければ…」と思いつつも、受け入れには、いま一つ釈然としないものを抱え込んだままとなっています。

 

 釈然としないことは…

    「被災がれきの処理なくして被災地の復興はなし」の主張に、
   どのような根拠があるのか。現地を視察した限り、そのように
   は思えない。

         莫大な費用を投じて遠方まで運んで焼却処理するのではなく、
   現地で、被災がれきの活用を考えるべきではないのか。

        被災がれきの木材チップ化やタイヤチップ化を図り、それを火
    力発電の燃料にすることはできないのか。

 

 こうした中、野田佳彦首相が4月23日のTBS番組収録で、「東日本大震災で発生したがれきを盛り土形式で使う防潮林整備について対象となる青森県から千葉県までの沿岸部約140キロのうち約50キロ分を本年度中に着手する」と表明。事業名は「『みどりのきずな』再生プロジェクト」。細川護煕元首相が3月の首相との会談で提言していた試みとのことです。

 

 これにつづいて、きょう5月1日の購読紙一面に「岩手県大槌町でがれきの上に樹木を植える『森の防潮堤』の試験造成がスタート。約3,000本の苗木の植え込みが行われた」との記事が掲載されていました。

 

 この『森の防潮堤』は、横浜国立大の宮脇昭名誉教授が震災直後から提唱。がれきを活用し、防潮堤機能だけでなく、景観保護の役割も果たせるとして注目を集める中、町の協力を得て宮脇名誉教授と共に活動を続けているタイヤ大手の横浜ゴムが主催したとのことです。

 

 つまり、国よりも早く民間サイドからの被災がれきの活用事業がスタートしたわけですが、それを伝える掲載記事では、全国の自治体にがれきの受け入れ、焼却処理を求めて奔走している衆院静岡五区選出の細野豪志環境相も参加したことを写真入りで紹介、ちょっと驚きでした。


 

        『森の防潮堤』の試験造成を伝える新聞

 

 昨年7月、所属会派で岩手県内の陸前高田市から宮古市まで被災地を視察。震災で地盤が沈下、海よりも低地となり、沿岸に仮設道路を敷設して海水の侵入を防いでいる箇所もあり、早急に何らかの対応が必要。でなければ津波だけでなく台風時の高潮でも海水が陸地に押し寄せる…、そんな不安を抱きましたが、今回の被災がれきを活用しての防潮林整備の国の計画、そして民間レベルでの試験造成は、自分が抱いた不安の解消に結び付くものと確信しています。

 

 富士市では、富士山麓にゴルフ場造成計画に相次いだ1984年、「富士山麓の自然の重要性を考えてみよう」、そんな意気込みをもって国際植生学会日本大会開催の機会をとらえ、関係機関に協力を呼び掛けて「富士市の緑の環境創造を考える国際シンポジウム」を開催。その記念事業として国際植生学会日本大会に参加した世界24カ国の学者と富士市民によって富士市固有のふるさとの森の創造を目指す上でのシンボルとなる『記念の森』の造成・植栽に取り組んでいます。

その場所は中央公園内の潤井川沿岸部分。タブノキ、シラカシ、スダジイ、シャリンバイなど、潜在自然植生に基づく樹木の苗を長さ100メートル、幅10メートルに植えています。

この『記念の森』の造成・植栽の指導にあたったのが横浜国立大の宮脇名誉教授(当時は教授)。当時、自分はローカル紙の記者で、植栽作業を取材。宮脇名誉教授は参加者に向け「潜在自然植生に基づく樹木の苗木であり、これといった手入れをしなくても生態系が保たれることで20年、30年先には立派なふるさとの森になる」と話されました。

 

宮脇理論の実践とされる『記念の森』は、理論通りに成長、今、ふるさとの森となっています。


 
 宮脇理論の実践により誕生したふるさとの森(右は市立中央病院)

 

この事例からして「不安の解消に結び付くものと確信」となったわけです。

 

被災がれきの現地での活用方法が打ち出されことを受け、「放射能汚染拡大の不安とは全く別の次元から広域処理は凍結すべき。地方は、それを国に向けて主張すべきだ」、自分は、そう考えています。

 

| - | 22:26 | comments(2) | - |
コメント

中央公園の潤井川沿岸の森が宮脇先生の指導を受けていたことは知りませんでした。

被災瓦礫は、燃やさず、拡散しないでもらいたいです。

森の防波堤計画に賛同し、
瓦礫の広域処理には反対です。
| こまち | 2012/05/05 3:36 PM |
 こまちさんへ
 コメントをお寄せ下さり、ありがとう、ございました。
 この問題、さらに調査、研究を進め、市議会の場で意見を発信していきます。
              海野 しょうぞう 拝
 
| 海野しょうぞうです | 2012/05/05 5:10 PM |
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