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第29回富士市青少年の船の乗船所感
 

 先日の地区の夏まつりでの事。地区の長老が、「海野議員、うちの孫娘が今年の青少年の船に乗船した。海野議員の乗船記は、いつ富士ニュースに載るのかい?」。

 富士ニュースとは、自分が市議に就任する前に勤務していたローカル紙。20年余前に同行取材で青少年の船に乗船、その乗船記を連載しており、長老は「それを読んだ記憶がある」といい、可愛い孫娘の青少年の船の体験を知りたいために「いつ富士ニュースに乗るのかい?」の質問になったようです。

 

 確かに、8月5日に田子の浦港を出港、沖縄に向かい、同9日に帰港した日本チャータークルーズ所有の「ふじ丸」をチャーター船とした「第29回富士市青少年の船」に乗船したものの市議就任前に富士ニュースは退職。今回の乗船は、6月定例会で文教民生委員会委員長に選出され、毎年、青少年の船には市議会から文教民生委員会委員長が“参与”として乗船していることによるもの。

 

 長老には、そのことを伝え、理解を求めたのですが、残念そうな顔つきで胸に突き刺さる一言、「そうかね」。で出た言葉が「乗船記は、報告書にまとめる予定です。それでよければ近々、ホームページに掲載しますから」。

 

 以上のような状況から、以下に報告書から抜粋した乗船所感を「はじめに」と「所感」に分けて掲載。報告書であることから文章語とし、執筆の視点を「今後、どうなる青少年の船」に当てたことにより硬い説明調になっている点をご了承下さい。

 

         【はじめに】


 8月5日、富士市の田子の浦港を29回目を迎えた研修船「富士市青少年の船(以下、青少年の船)」が出港、目的地は沖縄である。乗船しているのは543人。内訳は、学長を担った山田幸男教育長らスタッフ61人、研修生482人。日程は四泊五日。

 青少年の船には、毎年、富士市議会から文教民生委員会委員長が“参与”という立場で乗船しており、本年度は6月定例会で委員長の任を仰せつかった私が乗船。このほか、市議会から青少年の船在り方検討会(以下、あり方検討会)」の空席枠を譲り受ける形で自主的に藤田哲哉議員と杉山諭議員が“監事”という立場で乗船した。

 

 富士市と市教育委員会が主催した本年度の青少年の船の目的には、「生命の源である海は、私達に多大なる恵みばかりでなく、安らぎも与えてくれる。また、時として荒々しい顔を見せ、試練に耐えることも教えてくれる。この青少年の船では、海を見ながら自分を見つめ直し、新しい自分を発見できる機会を提供する。さらに、異年齢間の交流から協調性、責任感、リーダーシップを培うと共に、社会参加への意識を高め、次代の富士市を担っていく人材育成の場とする」が掲げられた。

 さらに、本年度のテーマには『One for all all for one(ひとりはみんなのためにみんなひとりのために 信じあい 助け合おう!)』が掲げられた。

 

 この青少年の船は、今年で29回目を迎え、乗船した研修生の感想から「確かな成果」が得られている。

 その一方、不可抗力によって幾度となく使用船が変更、大型豪華客船の使用を余儀なくされることにより公費負担が増大、加えて、ここ数年、定員割れも生じ、「事業の見直しが必要では…」という声が台頭。市議会でも初めて取り組んだ昨年9月定例会における決算事業評価で「公費投入の公正性に欠ける」を概括的な理由に「中止すべき」の意思表示が一部議員から提示されている。

 

 本年度は、事業費の圧縮と定員確保を命題にして事業が継続されたものの教育委員会サイドでは、あり方検討会が設置され、「今後、どうすべきか」の議論が開始され、その議論の線上であり方検討会のメンバー3人が本年度の青少年の船に乗船した。

 

 以下は、“参与”という立場で乗船した本年度の青少年の船の乗船報告とともに、乗船体験をもとにした今後の青少年の船のあり方の考察を絡めた乗船所感である。

ただし、個人的な所感であり、今後、あり方検討会という器の中で、使用船を取り巻く社会環境の変化も取り込んでの多角的複眼思考をもって「今後、どうすべきか」の議論が交わされ、結論が下されることを切に願いたい。

 この「乗船報告書」を、今後、議論を交わす上での参考意見としていただけたら幸いである。


 

           田子の浦港を出港


 

       【乗船所感】

 
 大型客船をチャーターしての富士市の青少年の船は、全国的にも稀有な青少年健全育成事業とされている。

 第1回は昭和597月に実施。チャーター船は、東海大学調査練習船の『望星丸』(1,218邸砲涼羞秦イ如⊂菫イ魯好織奪14人を含めて90人。寄港地を三宅島とする二泊三日の青少年の船であった。

 人気が高く、富士市教育委員会は第6回の平成元年にチャーター船を大型客船の『サンシャインふじ』(7,262邸砲棒擇蠡悗─定員を一気に500人余に拡大。『サンシャインふじ』が売却されたことにより第13回の平成8年からは500人余が乗船できるチャーター船の選択は大型豪華客船のみとなり、『ニューゆうとぴあ』(12,500邸泡『おりえんとびいなす』(22,000邸泡『ぱしふぃっくびいなす』(26,903邸泡『にっぽん丸』(21,903邸砲畔僂錣蝓第22回の平成16年から『ふじ丸』(23,235邸砲鬟船磧璽拭質イ箸靴討い襦

 また、第8回の平成9年から四泊五日の日程となり、寄港地も幾度となく変わったものの第15回の平成10年からは沖縄となっている。

 

 私は、ローカル紙の記者時代だった平成3年から平成5年、青少年の船でいえば第8回から第10回までの三回、青少年の船に乗船している。寄港地は北海道であった。今から20年余も前である。

 この乗船は、チャーター船変更で定員を一気に90人余から500人余に拡大したものの、当時、「家族で北海道に…」などは皆無に等しいこともあって定員が、すぐに埋まり、その一方では「旅行気分で乗船、自己を鍛える、自己を磨く」という研修目的の自覚の欠如が指摘される中、教育委員会から記者クラブに対して、「同行取材により、青少年の船の素晴らしさとともに、自己研鑽という研修目的も広く伝えてほしい」の要請を受けてものだった。

 当時のチャーター船は、大型客船であったものの“質”より“量”の多人数輸送を目的とした『サンシャインふじ』で、20人から30人の大部屋が中心。トイレやシャワーは共同、食事も学校給食程度、かつセルフサービス。チャーター料も、船それなりので、「2分の1を原則に…」とした受益者負担をもっての参加費は、確か3万円だったと記憶している。

 自己研鑽の研修に相応しい船であり、参加費も手頃。同行取材では、次に繋がるために、成果に視点を当て、それを記事にしてきたが、記事にはしなかった気になる面も多々あった。それを列記してみたい。

 

  青少年の船は、東海大学海洋学部の協力を得てスタート。よって研修テーマには「海に親しむ。大海原で海という自然の偉大さを学ぶ」が打ち出され、チャーター船が『サンシャインふじ』に変更になった後も、それが続き、船内での講義も海に関したもの。講義での研修生の反応の低さから研修生が期待し、望む研修テーマであるのかに疑問符が打たれ、「船酔い=海が嫌い」と主張する研修生も散見された。

  当時の研修生は中学1年生から30歳までとした青年。年齢幅が広く、グループ活動には意識面でズレがあった。とりわけ、当時は盆休暇中の出航で、「3万円で北海道に行けるから」を理由に乗船した就業青年もおり、リーダーシップが欠如したグループもあった。

  当時は、地域青年団が存在。青年団員に指導員を委嘱していたものの、指導員が研修生の青年より年下というグループもあり、それが取り組む活動の上で支障となる場面もあった。

 

 20年余前の乗船で気になった、これらの面を今回の青少年の船に転写した場合、次のような感想を抱いている。

 

  15回の平成10年以降、寄港地を沖縄としたことにより研修テーマの一つに「平和学習」が打ち出され、船内での学習や現地研修の研修生の輝く瞳に有意義な研修テーマであることが感じられた。「平和を学ぶには時間が短すぎる」という指摘があるものの、研修生にとって「貴重な経験、体験」になったことは間違いないだろう。

  現在の研修生の年齢幅は、小学6年生から30歳までの青年となっているものの、班員とグループリーダーに分け、班員募集は小学6年生から高校生まで、グループリーダーは面接も取り込んでグループリーダーとして募集していることにより、グループ活動は円滑と思われた。

  指導員については、かつて、その確保に苦慮。教育委員会の職員のほか、小中学校の教諭や、市立吉原商業高校(現・市立高校)の教諭にも指導員を委嘱、その比率が高かったが、現在は一般公募を採用。さらに、平成23年6月に青少年の船の乗船経験者21人より「富士市青少年指導者の会ふじまる」が結成され、事前準備に協力するとともに本研修の青少年の船にも指導員やレクリエーションリーダー、グループリーダーなどとして9人が乗船しており、理想的な形の指導陣容にシフトしてきたといえるだろう。

 

以上から、富士市の青少年の船は、「関係者の熱意と努力により進化している」、そう判断している。一部減免制度の導入よる乗船門下の拡大も高く評価したい。

 

青少年の船がスタートした当時、富士市でも学校現場における体罰に厳しい目が向けら、その一方では荒れる学校が社会問題化、さらに地域づくりのリーダーを担ってきた青年団の解散が相次ぎ、そうした中で「何かをしなければ…、新たな視点からの青少年健全育成事業を」の関係者の思いが集結しての青少年の船への取り組みであったと認識している。

 乗船した研修生(青少年)の満足感や達成感は高く、確かな成果を残しているが、依然として青少年健全育成への取り組みが大人社会に突きつけらいることも、また事実である。

余儀なく大型豪華客船をチャーター船としたことによる公費の増大や、遠方への家族旅行も日常化となった時代変化による定員割れなどの問題を生じ、ここにきてチャーター船確保の困難性も浮上している。

 しかし、富士市教育委員会が平成元年に青少年の船と並ぶ学校や学年の枠を超えた青少年健全育成事業としてスタートさせた「富士市青少年会議」が平成22年の第22回開催をもって「新学習要綱がスタートすることにより準備期間の確保が難しい」を理由にして中止となったことを踏まえ、大人社会に課せられた責務として、実現可能で効果が期待できる青少年の船の代替案が確立できないならば、可能な限り、内容の見直しを図りつつ継続に向けて最大限の努力が求められる、これを乗船所感の総括としたい。


 

 

船上デッキでのグループ単位での研修生記念撮影の合間に
               学長を担った山田教育長(左)と…

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