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富士市長が新年度(平成25年度)の予算編成方針を示達
 

 富士市の鈴木尚市長は1011日、部課長及び出先機関の長に新年度(平成25年度)の予算編成方針を示達しました。

 

 示達は、来年4月にスタートする新年度予算の編成を前に、市長としての方針を各部課長及び出先機関の長に示し、それを理解した上での予算編成を求めたもの。

 

その中で市長は、国や地方財政にふれた上で新年度の財政規模を「一般会計当初予算額は本年度より8億円、1.0%増の796億円程度になると見込んでいる」。

 

続いて歳入、歳出の見込みを示した上で、「現時点では11億円程度の財源不足が生じる」、さらに「平成21年度以降、市税は大幅な減収が続き、これまで市債の発行と財政調整基金の取り崩しで財源不足を埋めてきたが、税収の早期回復は困難な経済状況であり、市債と基金に依存した財政運営も限界に近づきつつある。今後の急激な景気の回復は見込みにくいことから当面の間は地方交付税の交付団体が継続するものと予測される。このことは、現在まで本市が独自に推進してきた単独事業に充てることが可能であった財源が枯渇してきていることを物語っている」と財政悪化と財政体力の低下を強調。

 

その一方で「第五次富士市総合計画に掲げた事業は着実に執行を求められ、防災対策や都市活力再生への取り組みも喫緊の課題で優先的に財源を確保する必要がある」。

 

この「厳しい財政VS取り組むべき課題が山積」という背反する状況への対応として市長は、「義務的経費及び債務負担や長期継続契約などで支出額が確定している経費を除き、一般財源ベースで3%の歳出削減を行う。合わせて不要不急な事業は廃止するなど抜本的な見直しを徹底し、歳出の効率化、重点化により財源を捻出する」とし、さらに各所属長に向けて「すべての事業を再評価し、優先順位付けにより役割を終えた事業、他に代替した方がよい事業を選別、廃止し、その上で新規事業を含めた事業全体の再構築を図られたい」と求めています。

 

これら基本的な財政方針を伝えた後、新年度の重点事業として

 

 1.   新産業創出や企業の活性化による工業振興事業

 2.   地震対策、危機管理体制等の充実を図る危機管理事業

 3.   まちなかの拠点の形成、活性化を図る市街地整備事業

 4.   保育環境や子育て支援体制の充実を図る子育て支援事業

 5.   水害の解消や雨水流出抑制対策を推進する治山治水事業

 

の五事業をあげ、これに「大手企業等の操業縮小、海外流出の懸念が広がる中で、再度、産業都市としての発展を期するために『仮称・都市活力再生ビジョン』の目標である『若い世代の方が本市で永く暮らし・働ける都市』に寄与する事業については特に優先的に取り扱う」を加えています。

 

 11日の予算編成方針の示達を第一歩にしての新年度予算の編成スケジュールは、1112日を各部課の予算要求書提出期限とし、このあと1114日から1214日まで要求内容の聴取と調整、年明け17日から同22日まで市長査定を行い、内示は24日を予定。

 

 本年度、富士市は12年振りに地方交付税の交付団体に移行。通俗的に表現すれば「富裕都市から貧乏都市へ転落」といったところです。

 この現状を市議会も深刻に受け止め、すでに市議会の新年度予算要求では、「委員会視察研修を2泊3日予算から1泊2日予算に圧縮」「主に二期目議員を対象に新年度に予定していた国際姉妹都市・米国オーシャンサイド市への視察研修を兼ねた友好訪問は見送り」と決定。

このほか議会改革検討委員会で検討を開始した「議員定数」についても富士市が人口減少時代に突入したことも踏まえ、「削減止む無し」の意見が主流になりつつあり、来年6月までに結論を下すことになっています。

 

市長の新年度の予算編成方針を熟読、その中で気になったのは「大手企業等の操業縮小、海外流出の懸念が広がる中で、再度、産業都市としての発展を期するために『仮称・都市活力再生ビジョン』の目標である『若い世代の方が本市で永く暮らし・働ける都市』に寄与する事業については特に優先的に取り扱う」の部分。

「寄与する事業とは何だろう。事業は、若い世代の意見を拾い上げてじっくり考察、決めるべきではないか。得手勝手な解釈による小さな親切(事業)、大きなお世話(無駄)は避けるべきだ」、そんなことを感想として抱いているのですが…。

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