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驚きの連続、そしてため息の愛知県一宮市体育館
  1024日から同26日までの三日間、自分、海野しょうぞうの所属委員会である富士市議会文教民生員会は行政視察に出掛け、その視察先は愛知県一宮市の総合体育館、石川県金沢市の市民芸術村、滋賀県近江八幡市の福祉トータルサポートセンター基本構想などでした。

 きょうのブログは、その行政視察で驚きの連続、最後はため息が出た愛知県一宮市の総合体育館をお伝えします。


 

      一宮市総合体育館の正面玄関前で…

 

 一宮市は、愛知県北西部の尾張地方の都市。今年9月1日現在の人口は379,108人(富士市は260,350人)。かつては織物のまちとして知られ、紡績・繊維産業の一大中心地であったものの、紡績・繊維産業の衰退によって財政力が弱くなり、愛知県内の人口10万人以上の都市の中では瀬戸市と並ぶ地方交付税の交付団体。平成23年度決算における一般会計歳入1,047億円余のうち地方交付税は115億円となっています。

 

 この一宮市に平成22年度末に工事費708,6997千円を投じた鉄筋コンクリート造り一部鉄骨造り2階建ての総合体育館が完成。延床面積は17,235屬如▲丱譟璽棔璽襪覆蕋缶未魍諒櫃任るメインアリーナをはじめ二つのサブアリーナ、このほか多目的室、トレーニング室、会議室(二室)などを完備。


 

          メインアリーナです



         トレーニング室です
 

 建設計画は昭和56年度の第三次総合計画に盛り込まれ、同60年度には建設基金が設置されたものの、平成6年開催の愛知国体への財源面の出動などもあって実現への取り組みが遅れ、基本計画の策定は平成16年。以後は順調に進み、平成22年度末で完成、スポーツ団体やスポーツ愛好家の長年にわたる願望が実現しています。

 

富士市も総合体育館の建設計画が20年以上も前に打ち出されているものの、具体的な動きはなく、ここにきて、ようやく動き出している段階。しかし、肝心の「どこに建設するのか」が決まっておらず、よって建設規模や工事費も構想の域で、完成時期も「?」。とはいえ、建設地は、「ここ一、二年が大詰め」と推測され、建設地が決まれば一気に建設へとなること確実?。

で、総合体育館建設は文教民生委員会の所管事務事業であることから年1回行われる委員会の行政視察で訪れたものです。

 

あれこれ記したいのですが、冒頭の「あっ」「えっ」の感嘆詞が出た驚きの連続部分を、ここに紹介。

 

   今回の視察では、一宮市から「事前に質問の提示を」の要請があり、幾つかの質問を提示。視察会場の総合体育館の会議室に案内されたところテーブルには総合体育館のパンフレットとともに提示した質問への回答を記した資料も用意されていました。「質問提示の回答は視察時に口頭で…」と思い込んでいただけに、驚きとともに、その入念な視察の受け入れ準備と対応に感激。

   質問項目の一つに「空調設備費の額は…?」を提示、その回答は建設事業費が71億円余という中で「81,144万円」。建設事業費の11%余を占めることから回答を受け「費用面で空調設備の設置を断念するケースもあるようですが」と質問すると「メジャー大会を誘致するには空調設備は不可欠なもの」との回答がありました。ちなみに富士市で空調設備を完備している体育館は皆無です。

   公共施設の管理・運営は、直営、または指定管理のいずれかとされる中、経費節減を主な狙いに指定管理者制度を導入するのが一般的となっていますが、驚くことに「総合体育館は直営です」。その理由は、「指定管理者制度を導入するにあたっては、指定管理費の見込み額は算出してあるものの、実際に管理・運営した場合、どの程度の額になるかは分からない。よって開館3年間は市が直営管理、その間に管理・運営費を弾き出して、これをもとに指定管理に移行する予定」。徹底した経費削減を図っての管理・運営による初年度の支出額は机上での見込み額が「3億円から2億円」とされていた中で12,000万余。この報告を受け、「都市経営の本質とは…」、それを教えられる思いでした。

   総合体育館は、メインアリーナ、サブアリーナ、武道館の三つのフロアで構成されるのが一般的となっている中、メインアリーナと二つのアリーナで構成。「武道館とした場合、使用範囲が限定される。多くの競技を可能とするよう武道館機能は移動式の畳を導入して対応。武道関係の競技団体には移動が容易な軽量の畳が開発されていることも示して理解を得た」とのことでした。これも驚きの一つでしたが、さらに驚いたのは、施設の愛称として団体名や商品名を付与する権利を与え、そのスポンサーから対価を得る「ネーミングライツ事業」を導入した点。メインアリーナの愛称名は『DIADORA(ディアドラ)アリーナ』、二つのサブアリーナの愛称名は『いちい信金アリーナA』と『いちい信金アリーナB』。5年契約で、その契約料はメインアリーナが年間300万円、サブアリーナが各年間100万円。5年間の契約料は2,500万円ということになります。契約先は、「申し込みを受け選考委員会で決定する」とのことでした。

   最も驚いたのは建設事業費の内訳でした。708,6997千円には本体工事だけでなく設計費や外構工事も含まれ、そのうち国庫補助金が333,000万円、70%が交付税で補填される合併特例債が217,070万円、基金からの繰り入れが156,8988千円で、一般財源からの投入は、なんと、わずか1,7309千円。

   このほか開館初年度の運営管理費が12,000万円余という中で収入額は4,100万円。市の持ち出しとなる赤字額が7,900万円余という点も「この程度なのか」という面で驚きでした。徹底した経費節減の賜物といえますが、「市主催事業のほか中体連(中学総合体育大会)市内大会なども全額減免」で、赤字額には、それら減免事業も含まれており、実質的な赤字額は字面上より少ないことになります。料金の設定は「他市の同規模施設を参考にした」としており、総じていえることは「総合体育館の管理・運営は財政上の大きな負担にならない」です。

 以上が驚きをもって受け止めた視察感想ですが、一宮市に誕生した総合体育館は、メイン、サブの三つのアリーナをフル活用した場合、バレーボールなら8面、バスケットボールなら7面、バドミントンなら36面、卓球なら、なんと54面を確保でき、交通の便に恵まれていることもあって開館初年度から県レベル、全国レベルのメジャー大会も開かれおり、これらも踏まえ今回の視察を総括すれば「富士市も総合体育館を早期に実現すべきを確信」。加えて思うことは「都市PRの狙いも込め、この競技なら最高の体育館といえる付加価値も付けるべきだ」。

 

ところで、一宮市は、JR尾張一宮駅前に公共公益施設を主体とした「交流・文化拠点」として7階建て、延床面積約21,400屬痢嵌張一宮駅前ビル(i−ビル)」を建設中。ビル内には、広場空間であるシビックテラスや中央図書館、中央子育て支援センターなどを配置した多機能な複合施設。開業日は図書館以外の施設が年111日、図書館が平成25110日。

さらに、老朽化した市庁舎も改築中で、その規模は地下1階、地上15階建て、延床面積31,140屐A躬業費は100億円余。平成2310月に着手、本体工事の完了予定は平成263月末。

 

総合体育館建設に続く、これらのビッグ事業も国の補助金や合併特例債をフルに活用してのもので、そこには、「国家財政が破綻寸前とされる中でも財政力の弱い地方公共団体をサポートする地方交付税制度があるうちに懸案のビッグ事業に取り組む」という“地方の果敢な挑戦”が感じられます。

 

富士市は富裕都市とされ、地方交付税の不交付団体の歴史を歩んできただけに、100億円を超える地方交付税を受けながらの一宮市の挑戦に「驚き」、そして「ため息」といったところ。踏み込んでの正直の思いは「なんで、こうなっちゃうの」、そんな、モヤモヤ感を抱いています。

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