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富士市青少年の船、25年度は中止へ…
 きょう1128日夜、自宅に電話が三件、いずれも青少年の船に関する電話で内容も、ほぼ同じ。

 

「青少年の船が中止になると聞いた。議会で何とか中止を撤回してほしい。あなたは青少年の船を担当する委員会の委員長でしょ」

 

 一方的に厳しい口調で述べて電話を切られたのが三件中、二件。こちらの話を聞いてくれたのが一件でした。

 中止は、非公開で開かれた市議会会派代表者会議での情報。「どこから、その情報を」については、「そんなこと、どうでもいいでしょ」。

 

 28日午後に開かれた市議会会派代表者会議で富士市教育委員会(以下、市教委)が「市教委の決定」として報告した青少年の船の中止。1万5千人余の青少年が乗船経験を有し、富士市が全国に誇る青少年健全育成事業とされてきた青少年の船、このまま中止になっていいものか…、歴史を紐解きながら考察してみます。


 

こんな場面は、もう見られない…?(今夏の青少年の船の出港時)

 

【富士市の青少年の船とは…】

 
 富士市の青少年の船の第1回は昭和59年7月に実施。チャーター船は、東海大学調査練習船の『望星丸』(1,218邸砲涼羞秦イ如⊂菫イ魯好織奪14人を含めて90人。寄港地を三宅島とする二泊三日。

 

 人気が高く、市教委は第6回の平成元年にチャーター船を大型客船の『サンシャインふじ』(7,262邸砲棒擇蠡悗─定員を一気に500人余に拡大。『サンシャインふじ』が売却されたことにより第13回の平成8年からは500人余が乗船できるチャーター船の選択は大型豪華客船のみとなり、『ニューゆうとぴあ』(12,500邸泡『おりえんとびいなす』(22,000邸泡『ぱしふぃっくびいなす』(26,903邸泡『にっぽん丸』(21,903邸砲畔僂錣蝓第22回の平成16年から『ふじ丸』(23,235邸砲鬟船磧璽拭質イ法帖

 

 また、第8回の平成3年から四泊五日の日程となり、寄港地も幾度となく変わったものの第15回の平成10年からは沖縄となっています。

 

 自分は、ローカル紙の記者時代だった平成3年から平成5年、青少年の船でいえば第8回から第10回までの三回、大型客船の『サンシャインふじ』をチャーター船とした青少年の船に同行取材で乗船、寄港地は北海道と九州でした。

 

乗船の感想は、『サンシャインふじ』は大量輸送を目的とした船で船室は大部屋が中心、食事は学校給食程度だったものの、青少年は日に日に耀きを増し、「研修生は500人余で、富士市全体からみれば、ごく一部の青少年にすぎないものの、乗船して得られる、集団生活のルールの重要性や協調することの大切さ、さらには、人が人間になるためには間(仲間)が必要、そんなことが乗船後、学校生活や地域社会で生かされ、大人社会が期待する青少年像に向けて“核的存在”になってくれるのでは…。今後も継続すべきだ」でした。


 

【費用拡大で揺れる】


 しかし、ある意味、青少年の研修に最適だった『サンシャインふじ』は売却され、継続するための唯一の選択肢は豪華客船の使用。この豪華客船への切り替え時、船借り上げ金の高騰に比例した形で参加料を引き上げることが難しく、その結果、負担軽減措置を図っている市費の投入額が拡大。これに、ここ数年の定員割れが加わり、乗船した研修生の満足度は高いものの、「このまま継続していいものか…。市費投入の公正性の面でも問題がありはしないか」という声が一部にあがっていました。

 

富士市議会は、議会基本条例に基づき、平成23年度から民主党政権が打ち出した事業仕分けの市議会版ともいえる事業評価に乗り出し、この初年度の平成23年度には9事業の事業評価に取り組み、その1事業に「青少年の船」がありました。

 

事業評価は、「拡充すべき」「現状のまま継続すべき」「継続するならば実施方法の見直しや工夫が必要」「廃止も視野に見直しをすべき」の四つのいずれかに判定を下すことになっており、議論が交わされる中では「継続すべき」と「中止すべき」に二分。

 

事業評価に加わった自分は、記者時代の乗船経験も踏まえ、「一度中止したら復活することは極めて困難」「予算採決権を有する議会が廃止論を主張するならば、参加者(研修生)のほぼ全員が『参加してよかった』と回答する成果が得られる同規模及び市費投入額の少ない代替案を示さなければならない」「市費投入の公正性を問題とするならば、規模は違うものの国際友好都市への少年使節団の派遣や、全日空飛行機事故で富士市がお世話になった岩手県雫石町との少年交流も中止にしなければならない」などの意見を述べ、その上で「継続を前提に実施方法の見直しや工夫が必要」と主張。この主張は所属会派「耀(かがやき)」の所属議員が一致しての主張でした。

 

議論は二分したものの最終的には「継続するならば実施方法の見直しや工夫が必要」の判定が下されています。

 

この議会側の判定を受けて担当課では、船側と値引き交渉を重ね、さらに定員確保にもつとめて今夏の青少年の船出航への準備を進め、これと並行して有識者や青少年関係団体代表、公募市民など10人に委員を委嘱しての「富士市青少年の船あり方検討会(以下、あり方検討会)」を立ち上げ、あり方検討会は「来年以降、どうするか」の検討作業を進めてきました。

 

29回目となる今年の青少年の船は、『ふじ丸』をチャーター船に8月5日、富士市の田子の浦港を出港、目的地は沖縄。同9日に帰港の四泊五日。乗船者は543人。内訳は、学長を担った山田幸男教育長らスタッフ61人、研修生482人でした。

 青少年の船には、毎年、富士市議会から文教民生委員会委員長が“参与”という立場で乗船しており、本年度は6月定例会で委員長の任を仰せつかった自分が乗船しました。


 

【突然の中止の理由は…?】


 あり方検討会は、1016日、市教委に多角的複眼思考をもって「来年以降、どうするか」を八カ月間にわたって考察した報告書を提出。幾多の課題を示しながらも結論を「見直しを行った上で来年以降も実施すべき」としています。

 

一方、あり方検討会が検討作業を進める中では、第22回の平成16年からチャーター船としてきた『ふじ丸』が「売却される」の暗雲が押し寄せたものの、担当課の熱意で「代替船を確保」と聞いていただけに「来年も実施」、自分は、そう思い込んでいました。

 

そんな中での、きょう28日午後に開かれた市議会会派代表者会議での市教委が「市教委の決定」として報告した青少年の船の中止。

 

市議会には、本会議や委員会などのほか当局から報告を受け、さらに議会の内部調整の機能を有する公式な会議組織である議会運営委員会があり、これに対して会派代表者会議は非公式な会議組織。よってマスコミや市民には公開されず、協議案件も議会内部のものがほとんど。28日の会派代表者会議も議員においては品格保持のため公式行事での自席からの写真撮影は禁止と申し合わせで決まっているにもかかわらす、それが徹底されていない現状から「再度、徹底を図ること」や、「都市活力再生に向けての特別委員会設置の検討」などが協議案件と聞いていたのですが…。

 

会派代表者会議終了後、その報告を会派控室で会派代表から受け、「市教委の決定として来年以降の青少年の船は中止との報告があった。あり方検討会が報告書で示した結論を無視する決定であり、納得できないことを述べてきたが、市教委の中止決定を容認する会派もあった」。中止の最大理由は「財政難」とのことでした。

 

これまで市は、議会の可決や承認を必要としない市政上の変動・変革や不祥事に関しても正副議長及び所轄委員会の正副委員長に報告、重要な案件では全員協議会や委員会協議会の開会を求めて報告、「開かれた富士市政」と評価していたのですが、教育をはじめ福祉、保健業務などを所轄する文教民生委員会の委員長という自分に青少年の船を中止と決したことの事前報告はありませんでした。

議会運営委員会と同様に公式な会議組織である常任委員会の文教民生委員会よりも非公式な会議組織である会派代表者会議での報告。自分にとって青天の霹靂(へきれき)であり、文教民生委員会の委員長という立場上、極めて残念なことでした。そして抱いた思いは、「非公開の会派代表者会議での報告は、いかがなものか」です。


 

【今後、どうなる】
 
 自分の個人的な思い、感情は、さておき、「今後、どうなるか」について…。

議会は、当局上程議案への否決権や不同意権、非認定権などを有していますが、今回の青少年の船の中止は予算が上程されないだけに対応に苦慮。

「中止の撤回を求め、市教委が撤回しない場合は、すべての当局議案の審査を拒否」といった国会並みの強行手段もありますが、議会側の中止決定に対しての賛否が二分しているだけに、そうした手段の行使は難しく、たとえ行使しても結果が得られず、市政停滞の弊害を招く不安もあります。

 

 第29回目となった本年度の青少年の船に投じた費用は約5,200万円。これから1人44000円の参加費を除いた市費の投資額は約3,000万円。

 財政難の中で高額な投資であるものの、財政難を理由に中止するならば、せめて「今年で最後」を掲げて募集、ラストチャンスを青少年に与えた上で有終の美を飾るべきではないか。それなくしての突然に中止は、青少年に対しての大人社会の論理による暴挙ではないか。

 

 市教委では、平成元年に青少年の船と並ぶ学校や学年の枠を超えた青少年健全育成事業としてスタートさせた「富士市青少年会議」を平成22年の第22回開催をもって「新学習要綱がスタートすることにより準備期間の確保が難しい」を理由にして中止しています。

これに続く今回の、しかも突然の青少年の船の中止決定。「どこかが狂い始めている」、そう思うのは自分だけでしょうか。

 

今夏の青少年の船に乗船した際、ふれあいを求めて研修生に声を掛け、その一人、中学3年の男子生徒は、「どうしても一度、青少年の船に乗りたかったので、1年生の時から小遣いとお年玉を貯めて費用を確保した」と満面に笑みを浮かべて話してくれました。

そんな青少年が、「来年こそ乗船を」の思いを抱いている青少年が、この富士市のまちにいるはずだ、それを胸に刻み、中止撤回に向けて自分の立場で何をすべきか、何ができるかを考えていきます。

 

今、はっきり言えることは、「自分の報告は終わっていない。終わってはならない」です。

 

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