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教育改革素案に地方見えず

 トップ記事ではないものの、購読紙の4日、そして5日の朝刊で報じられた政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大学総長)がまとめた「教育委員会改革提言素案(以下、提言素案)」について、大きな憤りを感じています。その内容ではなく、提言素案をまとめるプロセスについてです。

 

 新聞が伝えるところによれば…。

 

「政府の教育再生実行会議は4月4日の会合で教育委員会改革の提言素案を議論、教育長に地方自治体の教育行政の権限を集中させる方向で一致。提言は月内にも開く次回会合でまとめ、安倍晋三首相に提出する」

 

「素案では、首長(知事、市町村長)が教育長を直接任命して教育行政の権限と責任を一元化し、首長の意向を教育行政に反映できるようにしていく。教育委員会は、教育の基本方針や、教育行政の実情をチェック、意見を述べる諮問機関と位置付ける」

 

「安倍首相は、会合の冒頭、『教育現場で起きる問題に的確で速やかな対応ができるよう、(教育委員会を)抜本的に改革する』とあいさつ。議論でも『教育長に、より大きな責任と権限を持たせるべきだ』と述べた。出席者からは特に異論はなかった」

 

 教育委員会の定数は標準で5人。委員は議会の同意を得て首長によって任命され、その資格は「当該地方自治体の長の被選挙権を有するもので、25歳以上の日本国民であること」とされており、さらに構成については「年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないに配慮するとともに、保護者が含まれるようにしなければならない」と規定されています。

 また、委員の互選により教育委員会代表者であり、教育委員会会議主宰者である教育委員長を選出。教育委員会事務執行責任者である教育長は、同じく委員の互選により選出、教育委員長と教育長は兼任することができないことになっています。

 

 教育委員会の権限は、地方自治体の教育行政の運営全般にわたるものの、関係者の間では、「常勤の教育長を除く非常勤の教育委員が月一、二回集まって議論する現行制度での意思決定は迅速性を欠き、さらに責任の所在が曖昧だ」との批判が依然からあり、こうした中、大津市の中2男子のいじめ自殺で対応が遅れたことを契機に、その批判にマスコミがスポットを当てたことにより、今回の提言素案に…と判断しています。

 

 この提言素案のマスコミ報道を受けて思うことは、「地方の時代といわれながら、こと、教育については未だ上意下達がまかり通っている」ということです。

 

 時代に呼応するように教育行政も変わり、ここ数年をみても文部科学省は学習指導要領を改訂し中学校の音楽の授業で和楽器を教えることを義務付け、中学校での武道を必修化。これに続いての今回の教育委員会の改革の動き。さらに、下村博分文部科学相は、今年に入って公立小中高校で実施されている「学校5日制」を見直し、土曜日にも授業を行う「学校週6日制」の導入に向けて検討を開始したことを明らかにしています。

 

 しかし、こうした教育の改革にあたって地方の声が十分に反映さているか、地方の実情が十分に理解されているか、さらには地方の裁量権が担保されているかについては、いずれも疑問符が打たれるところです。

 

 つまり、「教育改革のプロセスに問題あり」です。

 

 特に今回の提言素案のうち「首長(知事、市町村長)が教育長を直接任命して教育行政の権限と責任を一元化」に対しては「首長の政治的思惑で教育が左右される不安がある」との指摘があり、それは地方の不安なだけに、今後、最終判断を下すにあたっては地方の声を十分に反映、かつまた地方の実情を十分に理解することを願いたいものです。

 

 個人的には、教育の平等性を錦の御旗にした学習指導要領の改訂や教育制度の改革は、一つの指針であって、運用にあたっては地方の裁量権に委ねるべきだ、そんな思いです。国の押しつけ的な教育改革によって混乱する教育現場に、部分的にせよ接し、悲鳴に近い声を受けてきた者としての思いです。

 

「もっと、地方が力を持たなくては…」、そんな自省も抱いています。

 
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