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研修報告(第15期自治政策講座in横浜)パート

【第6講義】


演  題
:『持続可能な都市地域経営
           〜社会インフラの課題〜』

講  師:野村総合研究所顧問、東京大学
           公共政策大学院客員教授 増田寛
也氏


【講師プロフィール】
 1951年、東京生まれ。1977年に東京大学法学部卒業、建設省に入省。1995年に岩手県知事に当選(当時、全国最年少知事の43歳)。2007年に任期満了により知事退任、同年8月から2008年9月まで総務大臣。2009年4月から現職。主な著書に『地域主権の近未来図』(朝日新書)、『「東北」共同体からの再生』(藤原書店)など。



        
講義中の増田氏

 

 

講義内容

 

 講師の増田氏は官僚出身。最年少の43歳(当時)で岩手県知事となり、その後、自民党政権下の2007年8月から約1年間、総務大臣を担った、地方行政にも体験をもって精通する輝かしい経歴を有する政治学者である。

 

 今回の講義では、地方自治体に突きつけられている持続可能な都市地域経営を取り上げ、社会インフラにスポットを当てて

1.   社会インフラの老朽化・大量更新期

2.   財政制約+防災・減災等からの社会インフラの転換・再設計

3.   3C(縮小:コンパクト、転換:コンバージョン、横断管理:クロスオーバー)

4.   3C+ITCによるスマート化利用者の安心、産業の活性化につながる全体像

5.   俯瞰的視点で構想するプロモーター、コーディネーター

の六項目を示して話を進めた。

 

 まず、「1.社会インフラの老朽化・大量更新期」について、「社会インフラのストック(資産)は人口・経済成長以上の速度で積み上がっている」とした上で「耐用年数サイクルの短い公共施設系の更新時期が到来しているが、今後は耐用年数の長い都市基盤(上下水道)、国土基盤(堤防等)、交通基盤の更新需要が相次いで発生してくる」と指摘。その上で「日本は先進国の中でもドラスティックな人口減少・超高齢化に直面する。2050年の生産年齢人口は1945年と同水準に…。その時、社会インフラの管理は誰が担うのか…」と投げ掛けた。

 

 地方自治体が、今後、直面する重大な課題を提示した後、増田氏は、「2.財政制約+防災・減災等からの社会インフラの転換・再設計」から「5.利用者の安心、産業の活性化につながる全体像」まで減築を活かすアイデアで資産の有効活用を図っているドイツ・ブレーメン市など諸外国の取り組み事例も絡ませながら安曇野市のデマンド交通、ITCを活用した千葉県柏市のオンデマンド交通実験などを紹介。その上で「人口減少に対応したダウンサウジングを図りながらサービス水準の低下を抑えるかが今後、地方自治体を単位としての社会インフラ再設計導入にあたってのポイントになる」とした。

 

 また、「7.俯瞰的視点で構想するプロモーター、コーディネーター」については、まず「再設計の方向性は3C(縮小:コンパクト、転換:コンバージョン、横断管理:クロスオーバー)であり、いずれもITCが重要な役割を果たすだろう」とし、その再設計の実現にあたっては俯瞰的視点で構想できるプロモーター・コーディネーターの必要性を力説した。

 

 講義の終盤では、「できるだけ早く人口減少時代に対応できる都市の再設計を創るべき。財政(財源)が追い付くか…といった問題もあり、さらに『策定した計画の公表は住民の不安を募る』という指摘もあるが、都市の再設計が横断的な問題として提示されることにより、共通の認識を持つことができるメリットもある」とし、これに「今後、首長のリーダーシップが問われるだけでなく議会の役割も極めて重要になる。二元代表制のもと議会が主体的に都市の再設計に加わり、かつまた市民参画も求めていくべきではないか」と主張して講義を閉じた。

 

 

受講所感

 

 増田氏の主張を集約すれば、「人口減少・超高齢化が避けられない中、都市の再設計は急務。それを認識して議会も主体的に取り組むべき」。もう一点、「ICTを活用し、プロモーター・コーディネーターを導入して取り組むべき」である。

 我々会派「耀(かがやき)」は、「重要な、かつまた重い示唆」と受け止めた。

 
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