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富士市があっと驚く若者世帯定住応援事業

 富士市議会2月定例会30日目の、きょう3月18日、建設水道委員会と文教民生委員会が開かれ、平成26年度一般会計予算など新年度予算案を中心とした当局提出議案を審査、可決すべきものと決しました。

 すでに総務市民委員会と環境経済委員会の審査は終了、当局提出議案が原案可決で委員会を通過しており、これにより追加議案として副市長人事案などが提出される定例会最終日24日の本会議で新年度予算案が賛成多数をもって可決、成立する運びとなりました。

 

 しかし、です。

 

 建設水道委員会に付託された議案「平成26年度富士市一般会計予算」の歳出8款土木費8項住宅費1目住宅管理費に計上された「若者世帯定住応援事業」に対しては、「市政運営の公正性及び財政運営の公平性において看過できない疑問点と問題点を抱え込んでいる」とし、附帯決議を付しての可決を求める意見が出されました。

「附帯決議を」の意見を述べた委員から附帯決議案が示され、意見交換の後、採決。その結果は賛成少数で不採択となりましたが、その附帯決議を求めたのは自分、海野しょうぞうが所属する会派「耀(かがやき)」の委員で、委員個人ではなく会派が一致しての意見でした。

 

 市長交代早々にして富士市議会では“異例”となる附帯決議を求めたことに対して誤解を受けないために、少々、長文になりますが、今回の会派対応及び会派方針を、以下に記します。

 

当局が新年度予算で打ち出した「若者世帯定住応援事業」は、市政上の最優先事業である「都市活力再生ビジョン」に基づく子育て支援施策の一つ。

人口減少の著しい世代の市外からの転入を促進するため若者夫妻を対象に住宅取得にかかわる費用に対して、その一部を助成していくもので、平成26年度と27年度の二カ年の時限施策。

 

助成内容は、市外に1年以上居住していた世帯で、富士市へ転入を希望する、夫婦いずれかが満40歳未満の世帯を対象とし、自ら居住する住宅を新築・購入した場合、70万円を奨励金として交付。これに市内業者に発注した場合は30万円を加算、二世帯住宅の場合は20万円を加算、小学生までの子がいる世帯は3人を上限に1人につき10万円を加算。

すべてが適用となった際の奨励金総額は実に150万円に達する、あっと驚く事業です。


 担当は都市整備部住宅政策課で、初年度となる平成26年度の当初予算には、1件当たりの平均交付額を100万円、年間申請件数は20件と見込んで2,000万円の予算化を図っています。

 

この「若者世帯定住応援事業」の予算審査を前に会派「耀(かがやき)」では議案研究の段階で「看過できない疑問点と問題点を抱え込んでいる」と担当課に説明を求め、その疑問点と問題点を以下のようにまとめました。

 

【問題点&疑問点】

1.   国の施策とはいえ、平成26年4月から消費税が5佑ら8佑飽き上げられる。富士市においても新年度から下水道料金や国保税の改定が行われ、保健予防事業である生きがいデイサービスも無料が有料化に切り替わるという中で支出にも厳しい取り組みが求められている。

2.   市外者のみに限定し、交付する奨励金が最高150万円という金額面も含め納税者である市内在住者の反発は必死。理解を得るには困難と判断される。

3.   営業力のある大手住宅会社に有利に作用する制度である。

4.   重要な事業でありながら事前に所轄委員会に説明がなく、予算審査の段階での事業説明は乱暴な市政運営といわざるを得ない。

5.   最優先事業である「都市活力再生ビジョン」に基づく子育て支援施策ならば、医療費の無料化を15歳から18歳に引き上げることや、子供の数に応じて保育園保育料の軽減措置を強化するなど全市民を対象にした公正性、公平性のある支援施策に取り組むべきではないか。

 

 これらの疑問点、問題点をもとにして会派「耀(かがやき)」は、次のような附帯決議案をまとめて18日の建設水道委員会に提示、委員の皆さんの判断を仰ぎました。

 

【附帯決議案】

議第12号「平成26年度富士市一般会計予算」の歳出8款土木費8項住宅費1目住宅管理費に計上された「若者世帯定住応援事業」は、市政運営の公正性及び財政運営の公平性において看過できない疑問点と問題点を抱え込んでいる。よって以下の履行を求める。

l  廃止も視野に入れて事業を見直すこと

l  見直し案は所轄委員会に示し、理解を得ること

l  所轄委員会の理解を得るまでは予算を執行しないこと

 

 この種の事業は、別段、富士市が全国のトップを切って打ち出したものではなく、ここ数年、取り組む地方自治体が相次いでいます。

 

 しかし、そのほとんどは急激な人口減少を招いていることによる過疎化対策の側面が強く、支援内容も納税者の理解を得やすいものとなっています。

 

 例えば、1970年の人口9,279人が2010年には7,764人と大きく落ち込んでいる滋賀県多賀町は「若者定住支援事業」の名称で取り組み、その支援内容は、「対象住宅に課税される固定資産税相当額(新築軽減適用後の額)を3年間助成。ただし、1年あたり10万円を上限とする」、「対象住宅の新築、増築または建て替え工事を町内建築業者が元請けで行ったときは1年目の申請時に限り10万円を加算する」で、最高助成額は40万円です。

 

さらに、多賀町では、助成を受けるためには「多賀町に5年以上定住することを誓約する者」や、「自治会に加入し、地域行事等に積極的に参加できる者」などの条件も付けています。

 

会派「耀(かがやき)」が提出した附帯決議案で「見直し」を打ち出したのは、事業そのものを否定しているのではなく、内容面を問題にしているためです。ありていにいえば「納税者である市民の皆さんの理解を得られると判断される多賀町程度の事業であれば賛同できる」です。方向性は当局と同じなのですから。

 

附帯決議案は、賛成少数で不採択となったことから、24日の本会議での可決を経て当局原案の内容で事業がスタートすることになりますが、「住宅新築・購入を予定している市内在住の若者世帯の反発が、今後、どう出てくるか」、さらに「大手住宅会社が富士市が打ち出した事業をビジネスチャンスととらえて市外で活発な営業活動を展開、その結果、申請件数が見込みを大きく上回った場合、どう対応するのか」も今後、注視しなければなりません。

 

今回の一件についての会派「耀(かがやき)」の報告は、これで終わりますが、最後に、この言葉を記します。

 

「私達の報告は終わってはいない。
          終わってはならないのだ」

 

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