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富士市の児童福祉の功労者、戸巻裕美夫さん

 富士市を代表する社会福祉法人芙蓉会が運営する特別養護老人ホーム「みぎわ園」の施設長、戸巻裕美夫さんが死去、5月24日に通夜、同25日に本葬が行われました。享年71歳でした。

 遠方に出掛けていたため、通夜、本葬とも参列することができなかったのですが、前職のローカル紙の記者時代、取材で何回となくお会いし、口数が少なく、表舞台に出ることを望まず、ただ、子供たちの幸せに立ち向かった、その生き様に尊敬の念を抱き続けてきた方です。

 通夜、本葬とも参列できなかったことへの悔恨を込め、つれづれなるままに裕美夫さんの人なりを偲ぶ一文を…。

 

 芙蓉会は、1903年(明治36年)6月に渡辺代吉氏が創立した「富士育児養老院」をルーツとし、1957年(昭和32年)6月に社会福祉法人設立の認可を受けて法人名を“芙蓉会”としています。

 

 現在、芙蓉会は、児童福祉施設部門と高齢者福祉施設部門があり、児童福祉施設部門は乳児院の「みどり園」、児童養護児施設の「ひまわり園」、地域小規模児童養護施設の「ひろみ」を運営。一方の高齢者福祉施設部門は特別養護老人ホーム「みぎわ園」を基軸に「ふようデイサービスセンター」「ふよう居宅介護支援事業所」「在宅介護支援センターみぎわ園」「吉原西部地域包括支援センター」などを運営していますが、特別養護老人ホーム「みぎわ園」の開設は2003年(平成15年)であり、「芙蓉会」は児童福祉を担ってきた歴史が長い社会福祉法人。裕美夫さんの実父、戸巻俊一氏(故人)は三代目の理事長、四代目の現理事長である戸巻芙美夫氏は実兄です。

 

 ローカル紙の記者時代、管理職になってからは内勤が多く、現場に出向いて取材していた当時、芙蓉会は児童福祉施設部門のみの運営で、夏祭りやクリスマス会などの施設イベントのほか、健全育成事業としてボーイスカウト活動やサッカーなどにも取り組んでいたことから、それらの取材にも…。話を聞くのは施設代表者である実兄の芙美夫氏が多かったのですが、その取材中、裕美夫さんは子供たちの中に入って世話をしていました。

 

 ある時の取材、実兄の芙美夫氏が不在で、裕美夫さんに話を聞いた際、こんなことを話されました。

 

「養豚が忙しく、子供たちと接する時間が少なくて…」

 

 その時は、児童養護施設と養豚の関係が「?」で、次の取材の時間が迫っていたことから、その「?」を聞くこともなく立ち去り、「?」の理由を知ったのは、しばらくたってから、それも第三者からでした。

 

 芙蓉会は、今でこそ誠信会と並ぶ富士市を代表する社会福祉法人ですが、現在に至るまでには艱難辛苦の歴史がありました。

 その中で常に抱えていた難問は運営資金の確保で、昭和6年に二代目理事長が逝去、裕美夫さんの実父、俊一氏が運営を受け継いだ頃から軍国主義が台頭して世間も世知辛くなり、経営の基盤である募金も困難に…。三代目理事長の俊一氏は、募金活動に代わる運営資金の確保を養豚事業に求め、その養豚事業は40数年にわたって継続、現在の芙蓉会の基盤整備に大きく寄与した、といいます。

 

 裕美夫さんが話した「養豚が忙しくて…」は、その時代の最中でした。

 

 芙蓉会が乳児院の「みどり園」や、児童養護施設の「ひまわり園」に続いて立ち上げた地域小規模児童養護施設の「ひろみ」は、社会人を前にした施設の高校生らが「自立した社会人になるように…」を目的とした集団生活の場で、裕美夫さんは寮長として子供たちの世話をしていました。

 

 晩年は高齢者施設の管理者でしたが、歩んできた社会福祉の道の多くは児童福祉であり、裕美夫さんが子供たちに捧げた人生は、施設を巣立った子供たちが、それぞれの道で立派な社会人になることによって開花し続ける、そう信じています。

 同時に、口数が少なく、表舞台で出ることを望まなかった裕美夫さんの人生は、「与えた恩は水に流せ、受けた恩は石に刻め」、そんな言葉で示されるものであり、在りし日の裕美夫さんを思い浮かべながら、今、自分に向けてつぶやいています。

「心に刻む人生としたい」                合掌

 


| - | 22:57 | comments(1) | - |
コメント
義弟故戸巻裕美夫についての回想録たいへんありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。

簡単ですがが御礼まで。
| 内藤順敬 | 2014/10/21 10:29 AM |
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