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世界文化遺産の富士山の価値を次代につなく五つの提言

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産に文化遺産として富士山が登録されて一周年となる、きょう6月22日、購読紙の朝刊に特集記事として富士山の価値を次世代につなぐ五つの提言が1面トップで掲載されていました。

 購読紙は静岡新聞(以下、静新)。6月17日から21日まで“富士山つなぐ世界遺産”のタイトルで5回連載の特集で富士山の価値と課題を多角的複眼思考をもって探り、きょう22日は特集の総括として取材陣が五つの提言を紙面に掲載したもので、「さすが静岡県のオピニオンリーダー紙の静新」といった取り組み、内容です。

 

 その五つの提言は…

1.   行政の枠組みを超えた統一ルールを

2.   登山者総数の抑制方向をまず定めるべき

3.   科学的視点で自然保護目標を明示せよ

4.   県民は景観を切り口にまちづくりを

5.   文化的価値の発信へガイド養成に戦略を

となっています。

 

 富士山は、当初、自然遺産としての世界遺産登録を目指したものの「問題多々あり」で見送られ、仕切り直しにあたっては信仰と芸術の源泉という文化遺産としての価値を全面に出しての登録決定。

 この仕切り直しは、「富士山は自然遺産としては問題を抱え込んでおり、文化遺産となるも、その価値を敷衍していく課題を抱え込んでいる」を示すものといえます。

 

 静新の特集は、そこに視点を当てたものであり、さらには、世界遺産登録を観光振興の起爆剤に結び付ける動きと期待が渦巻き、何がメデタイかを掘り下げることを等閑しての祝賀ムードに警鐘を鳴らすものでもある、そんな受け止め方をしています。

 

 別名“白鷺城”と呼ばれる兵庫県姫路市にある姫路城は1993年(平成5年)に文化遺産として世界遺産に登録されていますが、その築城開始は1346年、現存する天守閣や櫓などは江戸時代初期の築造。日本一の城であり、木造建築物であることは誰しもが認めるところですが、世界遺産登録には姫路城を心の支えとして保存を願う姫路市民の熱意が大きく左右したといわれています。

 

 第二次大戦直後、傷心をまとって戦地から復員した兵士は、姫路駅に降り立つも駅前は一面焼野原。しかし、姫路城だけは戦災の難を逃れ、凛として、その姿を見せていたことに深く感動。それまで何気ない日常風景であった姫路城を心の支えとする風土が生まれたといわれます。

 

 富士山は、自分だけかもしれませんが、好天ならばいつも北に聳えている日常風景。世界遺産登録を契機に、文化遺産としての価値を見詰め、再認識していくことが必要だ、そう思っています。

 富士山の世界遺産登録がもたらしたものは一部の観光業者の受益だけ、登録も一過性のお祭り騒ぎで終わり、自然遺産登録が見送られた課題が何ら解消・改善されないままでは世界遺産登録そのものを愚弄することにもなりかねない。これって“杞憂”でしょうか。


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