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2014年、中国人殉難者慰霊祭に参列しました

 きょう7月6日朝、富士市田子浦地区にある中丸浜区の平松墓地へ。午前9時から開かれた「中国人殉難者慰霊祭(以下、慰霊祭)」に参列。慰霊祭は、地元の中丸浜区と富士市日中友好協会が田子浦地区仏教会の協力を得て、毎年、この時期に墓地内の慰霊塔で開いているもので、自分、海野しょうぞうは日中友好協会の一員としての参列でした。

 

 富士市内では、第二次世界大戦の末期、昭和19年ごろ、田子浦地区で飛行場の建設が進められ、日本の占領下にあった中国から500人余が強制連行され建設業務に従事。想像を絶する過酷な労働環境により52人が亡くなったといわれます。

 

 慰霊祭は、その史実を風化させずに後世に伝え、不戦・平和の輪を広げていくことを狙いに開催。中丸浜区の皆さんがテント設営や椅子などを準備、日中友好協会が受付や進行などを担当。慰霊祭には、小長井義正市長や、市議会を代表して村松金祐副議長、さらに田子浦地区の区長や周辺の住民の方々も参列して下さいました。

 

 式辞に立った日中友好協会の渡辺会長は、年間を通して慰霊塔の清掃などに取り組んでいる中丸浜区に感謝の思いを伝えながら「日中関係は厳しい局面にあるが、こうした時こそ民間の日中交流が大切であり、小さな行事であっても粛々と取り組むことが不戦・平和への一里塚になると信じている」と参列者に語り掛けました。


          午前9時に慰霊祭開始


    田子浦地区仏教会の僧侶による読経が流れる中で…


慰霊祭で式辞を述べる日中友好協会の渡辺敏昭会長


地元の取り組みを伝える中丸浜区の藤原区長さん


    市民を代表して追悼の思いを述べる小長井市長

 

 ところで、慰霊塔には、二つの慰霊碑が建立されています。慰霊祭後、しばし、その慰霊碑を見詰め、時の流れの早さを感じ、さらに、寂しさ、そして焦りのようなものが湧きあがってきました。

 

 慰霊碑の一つは、「中華民国人興亜建設隊故歿者之碑」と記されたもので、飛行場工事請負人であった熊谷組が殉難者の霊を慰めるため昭和23年(1948年)7月に建立したもの。

 

 もう一つは「中国人殉難者慰霊碑」と記されたもので、その建立は平成2年(1990年)7月です。

 

 昭和23年の「中華民国人興亜建設隊故歿者之碑」の建立後、関係者や地元の方々で慰霊祭が行われてきたものの、年を重ねるごとに「中国の人達が強制連行されて飛行場建設に従事、過酷な労働環境により亡くなった人もいた」という戦争史実を知る人が少なくなり、「史実を伝える副碑的なものが必要」、さらに中国大陸に中華人民共和国が成立した以降、「中華民国」の国名は台湾を指すのが一般的となった、などから平成2年、関係者の熱意の結集で「中国人殉難者慰霊碑」の建立となったものです。

 

 この平成2年の「中国人殉難者慰霊碑」の建立時、自分はローカル紙の記者で除幕式を取材。確か、市も、その建立に向けて動き、費用は飛行場請負人であった熊谷組に求め、除幕式には中国大使館の関係者も列席、盛大に行われたことを昨日の出来事のように鮮明に記憶しています。

 

 しかし、それから24年の歳月が流れ、当時の富士市日中友好協会の会長で元・富士市長の渡辺彦太郎氏をはじめ亡くなられた方も多くいます。

 

 来年は副碑とする「中国人殉難者慰霊碑」の建立から25周年、参列した日中友好協会のメンバーの一人は帰り際、「何か節目になるような企画を盛り込んだ慰霊祭にしたいネ」。

 投げ掛けてきた言葉に、湧き上がっていた寂しさや焦りを振り切るために「そうですネ。何か考えましょうヨ」の言葉を返してきました。

 

 以下に史実を伝える平成2年建立の「中国人殉難者慰霊碑」の碑文を記します。

 

中国人殉難者慰霊碑

 

 太平洋戦争の末期、中国から強制連行されてきた504人が旧富士郡田子浦村に陸軍が建設中の富士飛行場へ到着、「興亜建設隊」に編入され、作業に従事させられた。

 当時の劣悪な食料事情と荷重な労働の中で、52人が故国にはせる想いも空しく現地で亡くなられ、この中丸共同墓地へ埋葬された。

 遺骨は昭和29年(1954年)5月、市内福泉寺において地元関係者による盛大な慰霊祭が行われた後、同年11月に懐かしの祖国へと送還された。

 なお、この「中華民国人興亜建設隊故歿者之碑」は、飛行場工事請負人であった熊谷組が殉難者の霊を慰めるため昭和23年(1948年)7月に建立し、以後、関係者が手厚く供養してきたものである。

 このたび、悠久の日中友好を念願し、あらためて殉難者の冥福を祈りつつ建立の経緯を記したものである。

                平成2年(1990年)7月


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