<< 防犯カメラの設置で当て逃げ、ご用! | main | 原発再稼働の安全性の担保は…? >>
国民の知る権利に黄信号

 購読紙の、きょう7月15日の朝刊1面。トップ記事ではないものの四段通し見出しで『沖縄密約不開示確定』の記事。「ようやく定着してきた国民の知る権利に黄信号が点灯した」と受け止めました。

 

 記事によれば…

1972年の沖縄返還をめぐる日米間の密約文書の開示を元毎日新聞記者の西山太吉さん(82)が求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷は14日、一審の開示命令を取り消した二審の東京高裁判決を支持し、原告側の上告を棄却した。密約そのものの存在と、文書が過去に存在したことは否定せず、政府が文書を破棄した可能性があるとした二審の判断を維持。西山さんらの敗訴が確定した」

 

【沖縄密約文書訴訟とは】 日本政府は沖縄返還に際し、米側に巨額の財政的な裏負担をしたとされる。西山さんは1971年、米軍用地の原状回復費400万砲鯑本側が肩代わりするとの外務省機密公電のコピーを入手し、報道で密約を示唆。1994年に米国立公文書館で密約を示す文書の公開が始まり、その後、返還交渉を担当した吉野文六元外務省局長が密約を認める立場に転じた。西山さんらは2008年、外務省などに文書の情報公開請求をしたが「不存在」を理由に開示されず、2009年に不開示決定取り消しなどを求め提訴した。


      最高裁判決を伝える記事です

 

 2010年4月の一審東京地裁の判決では、米国立公文書館で発見された米側公文書や、密約を認めた吉野文六元外務省アメリカ局長の法廷証言などから、国が1969年から1971年に文書を作成し保有していたことを認定。「探したが見つからなかった」とする国側の主張を退けて不開示決定を取り消し、原告1人当たりに10万円の賠償を命じていました。

 

 これが2011年9月の二審判決では、「密約の露見を恐れた国側が情報公開法の施行(2001年)前に廃棄した可能性がある」と指摘するも、文書が現存しない以上、不開示は妥当として一審判決を破棄、賠償命令も取り消し、今回、最高裁が、その二審判決を支持したことにより裁判が決着したものです。

 

 しかし、何か釈然としません。最高裁判決は、国が「存在しない」とする公文書は、開示を請求する側が存在を証明しない限り公にできない、との判断を示したもの。これはまた公文書公開を求める市民の側に重い立証責任を課したもので、重要な公文書の永久保存義務と責任にはふれない理解に苦しむ判決です。

 特定秘密保護法の施行を前に、「後々、問題になりそうな公文書は、どんどん廃棄。あとは『どうなったか分からない。存在しない』で知らん顔」、それがまかり通ることを認める今回の判決は、「国民の知る権利に黄信号が点灯」です。

 

 不本意な判決に対する原告の西山さんの「あまりにもひどい。日本に三権分立はないのか」のコメントを重く受け止めたい。でなければ日本は、どんどん国民不在のおかしく方向に進んでしまうのではないか…、そんなことを思う今回の判決です。


| - | 22:18 | comments(0) | - |
コメント
コメントする









CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT