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2015、ロゼの経営状況、一考察

 富士市議会6月定例会にあわせて市は、指定管理者に運営・管理を委託している公共施設の「平成26年度経営状況説明書」を議会側に提出、その配布を受けました。その中で気になったのが公益財団法人富士市文化振興財団(以下、財団)の説明書。財団は平成5年11月1日に同市蓼原町に開館したロゼシアター(以下、ロゼ)の運営・管理を担っています。以下、気になった点を中心にロゼあれこれを…。

 

 ロゼは、用地費を除き160億円余の巨費を投じた富士市の文化芸術振興の拠点施設。人口26万人弱の富士市において、その投資額は昭和63年3月13日開駅の東海道新幹線新富士駅の130億円余を上回る市政上、最大の投資額施設。

 開館後、「バブル経済時に建設した公共施設で、割高だった」という指摘があったものの、投資額にふさわしい規模、質を誇り、平成27年3月末までの利用者総数は979万人余を数えています。

 

 貸し館機能だけでなく、富士市の芸術文化振興機能を担うことから自主事業にも取り組み、開館以来の広報事業を除く自主事業公演数は900本余。

 その自主事業は、車椅子席や親子室席を除く三つのホール(大1,632席、中700席、小326席)を使用しての公演が多く、説明書には自主事業ごと事業種類や開催日程、会場、入場料、入場者数、さらに開催後の主催者としてのコメントも掲載されています。

 

 事業種類は、ロゼが富士市の文化芸術振興機能も担うだけに、鑑賞事業だけでなく、普及事業、育成事業、創作事業、交流事業、協力事業などがあり、そのうち鑑賞事業は「中央の優れた舞台芸術を利益追求抜きに手ごろな入場料で市民に…」とするもので、市民にとって“お得感覚”で舞台芸術に接することができるものです。

 

 平成26年度には16本の鑑賞事業に取り組み、そのすべてが舞台芸術。説明書の配布を受けて気になったのは事業内容と、その入場者数。つまり“入り”でした。

 

 平成26年度も明暗ありでしたが、全体的には不振。具体的に示すと…

 

【入場上々】

☆平成261111日(火)公演…「篠崎史紀ヴァイオリンコンサー

ト」、326席の小ホール、入場料は均一4,000円、入場者は302

☆平成27年2月22日(日)公演…「ロゼフォークプラザ(南こうせつ

プロデュース、ゲストに海援隊)」、1,632席の大ホール、入場

料は均一6,000円、入場者は1,562

☆ 〃3月3日(火)公演…「ふじ寄席 桂歌丸 三遊亭円楽」、

700席の中ホール、入場者は678

 

【入場不振】

★平成26年7月16日(土)公演…「松竹大歌舞伎 中村又五郎・歌昇

襲名披露」、700席の中ホール、入場料は1等席7,000円、2等席

6,000円、学生1,000円、昼夜2回公演で昼の部の入場者は429人、

夜の部は270

★ 〃7月18日(金)公演…「ANRI LIVE TOUR 

2014 SURF&TEARS(『キャッツ・アイ』や『悲しみがと

まらない』など数々のヒット曲をもつ杏里のコンサート)」、

1,632席の大ホール、入場料は均一6,000円、入場者は575

★ 〃8月30日(土)公演…「ピーターズレビュー(前半はピーター

のレビューショー、後半はシャンソン歌手と名をはせた越路吹雪の

半生を歌を織り交ぜながらピーターと女優の水谷八重子が演じた舞

台作品)、700席の中ホール、入場料は1階席6,000円、2階席

5,000円、2回公演で1回目の入場者は208人、2回目は194

★ 〃1124日(月・祝日)公演…「嘉門達夫トーク&ライブ」、

700席の中ホール、入場料は1階席3,500円、2階席3,000円、学生

1,000円、入場者は213

★ 〃12月4日()公演…「由紀さおりデビュー45周年記念コンサー

ト」、1632席の大ホール、入場料は均一6,000円、入場者は729

 

 説明書のコメント欄には、入場不振の分析も記されており、入場率35・2%だった7月18日の杏里のコンサートについては「近隣ホールでの同時期の開催が打撃に…」、近年、海外で高い評価を受けながらも入場率44・7%にとどまった由紀さおりのコンサートについては「主な対象となるお客様の年齢層が高い場合は週末の昼公演に設定したほうが良かったと思われる」など。

 

 この鑑賞事業の“入り”の状況を見て、ロゼスタッフの苦労が十二分に伝わってきます。

 事業は遅くても1年前には決定が必要となり、決定時に旬(しゅん)であったものが賞味期限切れとなるケース。さらに、時代性の先取りも求められます。

 このほか、公演日直前に出演者の一人が急病により中止となったものの平成261029日(水)に700席の中ホールで予定した「はやく起きた朝は…in静岡」はチケット販売直後に完売。この公演、人気女性タレント3人による日曜日朝のテレビ番組のステージ版で、自分などのオジサン族には「その番組…?」であるものの販売直後に完売の状況は公演企画側に時代を読む力を求めている、そういえます。

 

 いずれにせよロゼは富士市民の貴重な財産。その管理・運営を担う財団には、富士市の芸術文化振興に向けての期待が託され、鑑賞事業は、その期待を具体的に市民に提示していくものといえますが、その一方では利益は追求しないものの収支トントンの“入り”も突き付けられています。

 

 しかし、です。個人的には、「収支面で外野席からゴチャゴチャいわれても富士市の芸術文化振興に必要な舞台は…、そこに視点を置き、さらには学生には低料金、そのポリシーも堅持して今後も…」と願っています。

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