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元少年の死刑確定に思う

「いかなる理由があっても人が人を殺してはならない」、この思いから死刑廃止論者である自分にとって、購読紙の6月17日朝刊1面トップ記事は衝撃的なものでした。

 

 記事によれば…

 

「宮城県石巻市で2010年に起きた3人殺傷事件の上告審判決で、最高裁第1小法廷は16日、殺人罪などに問われ、一審、二審が死刑とした千葉祐太被告(24)=犯行時18歳=の上告を棄却した。元少年の被告に、裁判員裁判が言い渡した初の死刑判決が確定する。裁判官5人全員の一致した結論」

 

       死刑確定を伝える紙面です

 

 死刑制度の是非をめぐっては、死刑制度を維持する国では存続に賛成する存続論と死刑制度の廃止を主張する廃止論、死刑制度を廃止した国では制度の復活に賛成する復活論と、それに反対する廃止維持論が存在しています。

 死刑制度を維持する日本では存続論と廃止論が激しく対立していますが、多数派は存続論組です。

 これを背景に、少年犯罪の凶悪化と低年齢化を受けて少年法の適用年齢を18歳以下に引き下げ、18歳、19歳は少年法を適用せずに成人と同様の扱いをする少年法が改正され、こうした流れの中での今回の死刑確定です。

 

 少年法は「18歳未満の者を死刑とするべき場合は無期刑を科す」と定めています。人格形成の途上にあり、立ち直る可能性が大人より高いと考えられているためですが、今回の石巻事件の被告は犯行当時18歳7カ月だったことから、その死刑回避の措置は適用外。このわずかな年齢差、さらに荒れた少年時代を過ごすも前科はないという中での死刑確定に、死刑廃止論云々以前に「いかがなものか」との思いを抱いています。

 

 少年への死刑判決は、少年法改正以前にもあり、その初の事例は1990年5月に死刑が確定した連続4人射殺事件。最高裁は少年に対する死刑適用基準を示し、その適用基準により犯行当時19歳だった永山則夫被告(死刑執行により故人)に対して死刑判が下されています。

 

 永山被告は、死刑囚として服役後、書物を読みあさり、執筆活動に没頭。「獄中の作家」として知られるようになり、代表作の『無知の涙』では、凶悪犯罪の温床には悲惨な生活環境があったことを世に訴えましたが減刑、死刑回避とはなりませんでした。

 

 一度下された判決の重さを示す事例ですが、1997年8月1日に東京拘置所で永山被告の死刑が執行された際にも、今回と同様、死刑廃止論者云々以前に、いま一つスッキリしないものがありました。

 

 今回の死刑確定事例は、一審の仙台地裁で裁判員裁判が言い渡した初の死刑判決の確定であり、判決後に裁判員の一人が放った「考え抜いた末の結論とはいえ一生悩み続けると思う」の言葉からも「死刑の是非」と「裁判員裁判の範囲」、それを改めて考える国、日本でありたいと願っているのですが…。

 もちろん、被害者遺族の心痛も十二分に配慮しなければなりませんが…。

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