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一般質問パート2(貴重な石造文化財の保存について)

【一部既報】 富士市議会6月定例会の一般質問(23日に登壇)パート2では、2項目目の質問「富士市の貴重な文化財でありながら存続に黄信号が点灯している石造物の保護について」の概要をお伝えします。

 

 

「富士市の貴重な文化財でありながら存続に

        黄信号が点灯している石造物の保護について」

 

 文化財は、日本の文化財保護法及び地方公共団体の文化財保護条例において規定されている有形、無形の後世に伝えたい遺産とされている。特に歴史的、文化的に価値の高いものは、指定文化財とし、保存措置が施され、民間所有であっても補助金交付などをもっての保存措置が施されている。

 富士市内の指定文化財は、国指定が「富士山」など8件、県指定が「旧稲垣家住宅」など10件、市指定が「ディアナ号の錨」や「雁堤」など62件、そして国登録が「旧順天堂田中歯科診療所兼主屋」など4件の計84件となっている。

 文化財を「歴史や時代の証人であり、それを研究することで過去の姿が明らかになると共に現在を考える上で重要な資料ともなる」という視点でとらえると、その代表格は石造文化財であり、生活圏に数多く存在している。

 富士市教育委員会は、富士文化財愛好会に調査を依頼して昭和59年1月から市内の石造文化財の実態を把握、5年間にわたる調査で市内全域に約3600基もの石造文化財の存在を確認、これを記録し、『富士市の石造文化財』の表題で第1集から第5集の記録集にまとめている。

 しかし、石造文化財のうち県の指定では、「岩淵の一里塚」の1件、市の指定では、「竹採塚」、「白隠禅師の墓」、「善得寺墓群の中の大勲策禅師の墓」、「善得寺墓群の中の大原雪斎の墓」の4件の計5件に過ぎない。

 こうした状況は、石造文化財が、

 1.材質が堅牢

 2.その多くに宗教的背景があり、神社・仏閣に建立されているも

   のが多い

 3.守護神として地域の保存意識が高い

などから「あえて指定文化財とする必要性が希薄」、加えて、その数の多さと類似性から「文化財的価値が低い」、そう判断してのものと推測される。

 よって県指定と市指定の計5件の石造文化財も、石造文化財としてではなく、その背景にある貴重な歴史に目を向けての史跡としての指定となっている。

 しかし、市内には、県及び市指定の5件以外にも極めて貴重な歴史を秘めた石造文化財があり、その存続に黄信号が点灯していることを踏まえ、保存担保となる指定文化財を願って、以下、3点を質問、回答を願いたい。

 

 質問➀ 富士市教育委員会発行の文化財収録集『富士市の文化財』には、室伏半蔵と仁藤春耕の「道しるべ」が紹介されている。室伏半蔵は江戸時代の文政年間から天保年間にかけ潤井川北岸から久沢、入山瀬など富士市北西部にかけ十数基の「道しるべ」を建立。一方、仁藤春耕は、明治39年から明治45年にかけ旧東海道から吉永地区を南北に貫き、十里木を経て御殿場滝ケ原から甲州街道に接する須走に至る間に128基もの「道しるべ」を建立している。共に「旅人のために…」とする貴い社会貢献事業、私は、そう判断している。この「道しるべ」は、管理責任が曖昧であることから散逸、消失する不安を抱え込み、今年2月には、その管理責任の曖昧さが露呈し、修復まで、かなりの時間を要した。その背景の歴史に目を向け市が保存責任を担うべきではないか。

 答弁 昭和59年から5カ年をかけて富士文化財愛好会に市内悉皆(しっかい)調査を依頼して、その成果を『富士市の石造文化財』第1集から第5集にまとめている。その数は約3,600基にもわたり、これに富士川地区・松野地区の約840基を加えると、その総数は約4,440基を数える。この石造文化財の中でも『道しるべ』は、かつての村境や街道上に建立されており、その目的は街道を行き交う人々が迷わないよう、地域や個人により案内標として建立されたものが多く見受けられる。中でも仁藤春耕の『道しるべ』は、地域を代表する『道しるべ』で、その数は約120基を数え、これまでにも多くの調査がなされ、その歴史的背景も明らかになっている。また、室伏半蔵の『道しるべ』も仁藤春耕の『道しるべ』に次ぐ代表的なもので、現在、8基が確認されている。しかし、管理にあたっては仁藤春耕の『道しるべ』は、その範囲が現在の御殿場市域にまで及ぶなど広範囲で、置かれている場所も道路敷きのほか一部は民有地に所在するなどの課題がある。室伏半蔵の『道しるべ』については、その由来や経過について、ほとんど記録が残っていない。このようなことから『道しるべ』について、全て一律に教育委員会が保存管理することは考えていない。立地や歴史的背景等を含め、文化財としての価値も考慮しながら、現在、管理されている地域の方々と相談の上、その都度、判断していく。

 ※悉皆(しっかい)…残らず、全部、全てなどの意。

 

 質問◆仝朕妖な見解となるが、室伏半蔵、仁藤春耕の「道しるべ」は市指定文化財に値すると思われる。教育委員会は文化財としての価値判断を富士市文化財保護審議会に諮問、専門家の判断を仰ぐ考えはないか。

 答弁 「道しるべ」をはじめとした石造文化財は、基数や種別の多さ、また、同種同様なものが多いこと、時代背景が不明確なものも多いことから文化財としての評価を難しくさせている。このため、県及び県内市町において文化財として指定されているものは、ごく限られている。しかしながら室伏半蔵や仁藤春耕の「道しるべ」については、本市における代表的な石造文化財であることから、その評価や、今後の石造文化財の保護の在り方等について文化財保護審議会の場を活用し、専門家の意見を幅広く伺っていく。

 

 質問 富士市内の石造物文化財には、その背景にある貴重な歴史から観光名所となり得るものも散見される。観光都市・富士市を目指す視点から観光部署と連携して、その洗い出しに取り組んでみてはどうか。

 答弁 石造文化財は、これまで指定の有無に関わらず、特徴があるものついて案内板を整備するとともに『富士市の文化財』や『富士市の文化財めぐり』などの冊子に盛り込み市民に周知。さらに地域の歴史や魅力を発信する観光資源として捉え、『観光パンフレット』や『歩く健康づくり一万歩』のコースなどで紹介。今後は、これらの刊行物等をもとに、さらに特徴的で観光に活かせる石造文化財があるか、地域や観光課等との連携をとりながら改めて確認し、その活用に努めていく。

 

 

再質問

 

 以上、1回目の質問、答弁を受けた後の再質問では、質問➀の答弁に納得できなかったことから「道しるべの修復が必要となった際、それは、どこが対応かの責任所在の明確化は持ち越されたままとなっている。市が、その所在を示す道標を設置、また、教育委員会が編纂、発行している『小学校の社会科副読本』や『富士市の文化財』などの書籍にも、旅人のために…とする貴重な社会貢献事業であったことを伝えることを掲載している以上、市が、その管理責任を持つべきではないか」と投げ掛け、これに質問△鮑禿戞⊆茲蠑紊押◆崋蕊半蔵、仁藤春耕の道しるべの文化財としての価値判断を文化財保護審議会に諮問、専門家の判断を仰ぎ、市の指定文化財となれば、費用的な面で管理責任を担うことが容易になるのではないか」の意見を提示しました。

 

 1回目の質問で述べた「今年2月には、その管理責任の曖昧さが露呈し、修復まで、かなりの時間を要した」の事例は、鷹岡地区の入山瀬地先にある室伏半蔵の「道しるべ」の第3号で、富士市教育委員会が、それを伝える木製の標柱も設置してあるものです。

 隣にある木が土台を押し上げ、大きく傾き、倒れる不安も抱え込んだことから地元は文化財担当の文化振興課へ修復を申し出たものの、文化振興課では「道しるべ」も他の石造文化財と同様にとらえて「地元で対応を」でした。

 これが数多く存在する道祖神や馬頭観音などの地域の守護神ならば「神社境内に運び込んで…」となろうかと思いますが、「道しるべ」は、その場所に存在してこそ価値があり、加えて旅人のための石造文化財であることから地元でも対応に苦慮。最終的には、地元の建設業者が社会貢献事業として重機を投入して修復、土台部分も、すべてやり直して下さり、一件落着となっています。

 しかし、「道しるべの修復が必要となった際、それは、どこが対応か」の責任所在の明確化は持ち越されたままとなっています。故に、今回、一般質問で、「市が管理責任を持つべきだ」との思いから取り上げました。

 今後の教育委員会の対応を注視していきます。

 

大きく傾いた室伏半蔵の「道しるべ」の第3号です

 

地元の建設業者が社会貢献事業で修復されたものの、

   その管理責任は、どこに…は未解決のままです

 

      土台部分の整備も行われました

 

 また、質問の答弁に対しては、再質問で吉永北地区にある『巌谷小波の句碑』を取り上げ、明治から大正にかけて活躍、日本近代児童文学の開拓者とされている巌谷小波が文部省唱歌の『ふじの山(富士山)』の作詞者で、句碑は巌谷小波が富士市に来訪した史実を今に伝える貴重な石造文化財であることを力説、その整備と観光スポットとして売り出すことを強く求めました。

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