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英霊に捧ぐ(第63回鷹岡殉国者慰霊祭)

 きょう10月15日、富士市鷹岡地区の入山瀬神社境内に建立されている鷹岡殉国者慰霊塔で一般財団法人富士市鷹岡殉国者慰霊塔奉賛会(渡邊威理事長、以下、「奉賛会」という。)主催による「第63回慰霊祭」が開かれ、地元市議の立場で参列しました。

 

慰霊祭の会場です

 

献花です

 

多くの遺族の方々が参列しました

 

碧雲寺有志によるご詠歌です

 

慰霊の詩吟や、歌『岸壁の母』も捧げられたました

 

 旧・鷹岡町では1953年(昭和28年)の町制20周年の際、殉国者の慰霊塔建設計画が持ち上がり、その推進団体の奉賛会が発足。慰霊塔完成年の1955年(昭和30年)に「第1回慰霊祭」が開かれています。

 1966年(昭和41年)に二市一町(旧・富士市、旧・吉原市、旧・鷹岡町)合併により現在の富士市が誕生した以降も旧・鷹岡町の事業として継続、今年で第63回を迎えたものです。

 旧・鷹岡町の戦死者は348柱を数えています。

 

 渡邊理事長をはじめ遺児代表、来賓代表などが慰霊の辞を述べ、地元市議も慰霊の辞に…。交代で立ち、今年は自分、海野しょうぞうが担当させていただきました。

 

 以下、英霊に捧げた慰霊の辞です。

 

 

 

 慰霊の辞

 

 平成28年度、「第63回鷹岡殉国者慰霊祭」にあたり、開催に向けて準備を重ねてこられた奉賛会役員の皆様の労苦に深甚なる敬意を表しつつ、この地に眠る旧鷹岡地区の戦没者348人の英霊の皆様に、慰霊の一言を述べさせていただきます。

 

 私は、昭和27年、岩松の農家に生まれ、戦争を知らない世代ですが、戦争によって体と心に傷を負った父との思い出を通して、戦争の実相を見詰めてみたいと思います。

 

 私の父は、激戦の南方戦線から生還したものの、待っていたのは弟2人が戦死という辛い事実でした。

 

 海野勝、昭和19年7月31日、太平洋で戦死、満21歳。

 

 海野稔、昭和20年6月8日、フィリピンルソン島で戦死、満24歳。

 

 父自身も南方戦線で交戦中、腹部貫通の重傷を負い、生還するも、もはや働ける体ではありませんでした。

 父に代わって母は、朝早くから、とっぷりと陽が暮れるまで土と闘い、兄2人、そして私の男兄弟3人も母の野良仕事を手伝い、わずかな田畑に米、そして現金収入となる玉ねぎやキャベツを作り生きてきました。

 

 母は、重労働の野良仕事に加え、子育て、家事、そして年老いた祖父母の介護に追われる日々でしたが、父は、そんな母に感謝の言葉を発することはなく、酒におぼれた日々を過ごし、何時もぎらついた目で、母、そして子供を見詰め、深夜になると聞き取ることのできない独り言を繰り返していました。

 私は幼少期に、父にオンブされたことや、ダッコされた記憶はなく、その後も会話らしい会話はなく、親子に深い溝のできたまま、父は五十代後半、癌により黄泉の国に旅立っていきました。

 

 私が高校二年、十七歳の凍てつく真冬でした。

 

 今、自分が黄泉の国に旅立った父を超える年齢となり、ようやく父の心の傷が分かるようになりました。一番、辛かったのは父ではなかったのか…、その思いです。

 

「お国のため、家族のために…」と戦地に出向き、南方の戦地で散った弟二人、そして多くの戦友、その死を無駄にしないために、妻子を養うことのできない体になっても生き続けなければならなかった父の辛さが分かるようになりました。

 その心の傷を思い、やさしい言葉をかけたくとも、もう、父は、この世にいません。

 

 今の自分にできることは、父の人生を通して「終戦によって戦争の悲劇が終わるのではなく、終戦後も悲劇は続く、それほど戦争とは悲惨なものである」の語り部となること、そして、「英霊の皆様の犠牲で成り立つ、この平和国家・日本が未来永劫に続くために、自分は、何をすべきかを見詰め、実践することだ」、そう胸に刻んでおります。

 

 この胸に刻んだ誓いを、ここに眠る英霊の皆様に伝えながら、結びにあたり、依然として世界各地で紛争が続き、難民も増え続け、日本にも軍事の脅威が迫る今の社会に、多分、この地で眠る英霊の皆様の「現世への願いであろう」と察する、詩の朗読をもって、慰霊の言葉とさせていただきます。

 

 シベリヤ抑留の日本人の悲劇を描いた音楽劇『君よ、生きて…』、腰塚勇人『五つの誓い』より…

 

今、君に伝えたい

目は、人の良いところを探すために使おう

耳は、相手の話に傾けるために使おう

口は、人をほめるために…

そして、その手は、人を傷つけるためではなく、支え合い、愛する、すべての人達を抱きしめるために使おう

 

平成28年10月15日

富士市議会議員  海野 庄三

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