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「空き家対策」と「ごみ屋敷対策」、セミナーを受講しました

 きょう11月8日、都内で開かれた地方議会総合研究所主催の「議員・職員のためのセミナー」を受講してきました。「空き家に関する地方公共団体の取り組み」と題したセミナーです。以下は、その受講概要と所感です。

 

同僚議員の高橋正典議員(左)と一緒に受講しました(池袋駅東口前のアットビジネスセンター)

 

 講師は神奈川大学法学部教授で弁護士の幸田雅治氏。1979年に東京大学法学部卒業、自治省入省。内閣官房内閣審議官、総務省自治行政局行政課長、同消防庁国民保護防災部長、中央大学大学院公共政策研究科教授などを経て2014年から現職。

 

講師の幸田雅治氏です

 

パワーポイントでの説明でセミナーが進められました

 

 セミナーは、

 1.空き家に関する現状と課題

 2.空き家対策条例の制定状況

 3.空家対策特措法の問題点

 4.空き家対策に関連する法的諸問題

 5.議会・議員の役割

 6.ごみ屋敷対策

 7.都市環境の視点から見た空き家対策

という流れでした。

 

 その中で注目したのは、「3.空家対策特措法の問題点」でした。

 

 空家対策特措法(正式名称は、『空家等対策の推進に関する特別措置法』平成26年11月27日交付)について幸田氏は、「空き家は、その原因等を含め地域の実情が異なっており、それぞれの地域の実態を踏まえて条例で制定することが適切な分野の行政である。それにも関わらず、法律で一律の仕組みを規定しようとすることに、そもそも無理がある」とし、さらに、「多くの自治体で条例を制定し対応してきたものを、あえて法律で定める必要性は低いし、地方分権の観点からは有害である」と断じました。

 この幸田氏の主張を受け、空家対策特措法に依存する格好で条例制定には慎重姿勢に終始している当局に向け、市民の代弁者である議会・議員の責務として機敏性に欠ける特措法の問題点を指摘しながら繰り返し条例制定を求めていく必要性を痛感しました。

 

「6.ごみ屋敷対策」についても注目。幸田氏は、空き家対策とごみ屋敷対策の違いを語りながら、「ごみの廃棄にあたっては、有価物か廃棄物かの判断が必要となるが、判断するのが難しい場合がある」と述べ、その上で「なぜ、ごみ屋敷になったのかの原因を探り、その原因の解決にも目を向けていかなければ本質的な解決には結びつかない」。重い響きをもった指摘でした。

 

 セミナーのまとめでは、都市環境の視点から日本の空き家問題を分析。日本と欧米諸国の既存住宅流通の現状について「日本の平成20年における既存住宅流通シェアは約13.5%であるのに対し、欧米諸国の既存住宅流通シェアは7割から9割程度」と述べ、この違いを「日本では新築住宅の人気が高く、中古住宅の人気が低いから」としました。

 この主張を紐解けば、「日本では新築住宅の人気が高く、これに核家族化も絡まって空き家が急増」ということになります。

 

 欧米諸国は既存住宅、つまり中古住宅の流通シェアが高いことは、住宅構造や材質、そして耐用年数の違いもありそうで、加えて、日本では、その耐用年数を木造は30年、鉄筋・鉄骨は50年とし、それをもっての改築サイクルで日本経済が発展してきたことを考えれば「空き家問題は奥が深い」でした。

 

 ただ、幸田氏が最後に語った「日本では、既存商店街の活性化や再生などが叫ばれているが、欧米、特にヨーロッパ諸国はバイパスを造っても交通渋滞緩和のバイパス機能だけ、沿線に商業施設は認めない。日本ではバイパスを造り、沿線に(車社会に対応した)商業施設を認めてきた。結果として既存商店街が疲弊している。そこをしっかりと見詰める時代」が印象的でした。

 

 空き家問題の本質的な解決にも、住宅に対する日本人の意識変革が必要なのかもしれません。

 

東海道新幹線新富士駅北口で…(本文とは全く関係ありません。あまりにも市民の皆さんが展示用に寄せた盆栽仕立ての菊花がきれいでしたので…)

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