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富士市議会11月定例会の一般質問、論戦概要です

 富士市議会11月定例会の一般質問4日目の12月9日、自分、海野しょうぞうは発言通告に基づき登壇しました。

 

 今回は、「市民の命を守る富士市の環境保全体制の現状と、市民の知る権利の確立について」と題し、ここ半年の間に、議員活動で接した事業場対住民の環境汚染防止交渉の事例を踏まえ、市民の命を守り、市民の知る権利の確立に向けて疑問符が打たれ、また取り組みが必要と思われる5点の質問を提示、回答を受けました。

 

 論戦は、富士市議会のホームページにアップされている録画中継から視聴できます。

 以下のアドレスを入力、「富士市議会」→「議会録画平成28年12月9日」をクリックして下さい。

 

[http://www.city.fuji.shizuoka.jp/shisei/c0505/rn2ola000000avwa.html]

 

壇上から質問(録画中継画面より)

 

再質問は自席からです(録画中継画面より)

 

 

以下は論戦の概要です。

 

【一般質問の前段】

 質問の前段では、「近代科学の進展と経済合理性の追求を目的とした社会・経済活動により、私たちは物質的には豊かな、かつ便利な生活を享受してきた一方、環境を破壊し、健康にも悪影響を及ぼす公害という“人為災害”の脅威にさらされ、その対策・克服に向けての艱難辛苦の時代を過ごしてきた。戦後、工業都市として発展してきた富士市も田子の浦港のヘドロ問題をはじめ、さまざまな公害事象が発生、マスメディアが、その事象を“公害のデパート・富士市”という汚名をもって伝えたが、公害対策基本法の施行以降、公害行政の推進を最優先課題として取り組んだことにより大きく改善、大気汚染濃度の環境基準の達成をもって、公害を克服した、ともされている。しかし、東日本大震災時の福島第一原発事故による大量の放射性物質による土壌汚染や、築地市場の豊洲移転問題が示すベンゼン、シアン化合物などの有害物質による土壌・水質汚染、富士地域においても焼却過程で生成される有害物質のダイオキン類の田子の浦港における底質汚染の防止が今後の主要課題となっているほか、今年11月上旬に平成17年から今年6月にかけ富士市を含む静岡県や長野県など4都県の山林で破砕処理した北陸新幹線の軽井沢―長野間の防音壁に有害物質のアスベスト(石綿)が含まれていたことが発覚、それがマスメディアで伝えられるなど、近代科学の負の遺産を抱え込んでいる」と述べ、その上で「公害を克服した、とされる私たちの生活は、 近代科学の負の遺産の中に存在しているわけで、環境対策の要諦は、その負の遺産と真正面から向き合い、環境保全の要諦は、市民の知る権利が確立した中での環境汚染防止に向けての監視、そう言えるのではないではないか」と投げ掛けました。

 

 

【質問1点目】

 富士市は、 環境部環境保全課が担当課となって毎年、表題を『富士市の環境』とする環境・公害に関する年次報告書を発行、配布しているが、その中にある「環境行政の推進」の項で「公害防止協定等」を掲載。平成27年度末現在で富士市が公害防止協定を締結している事業場は23事業場、覚書を締結している事業場は30事業場、住民団体と事業場との公害防止協定等の締結に市が立会人となった事業場は27事業場と記されている。

 このほか 大気汚染の監視に向けて昭和50年2月、市が指導タワーとなって地域住民による公害対策委員会と対象事業場によって発足した「公害防止地域連絡会議」の一覧も記されている。

 しかし、「公害防止地域連絡会議」の一覧には、地域名と対象事業場名が記されているものの、富士市が公害防止協定や覚書を締結した事業場名及び市が立会人となった市民団体名と事業場名の掲載はなく、公害防止協定締結23事業場、覚書締結30事業場、立会27事業場と、その数だけである。

 市民の知る権利の面から「公害防止地域連絡会議」と同様、市が公害防止に向けて協定及び覚書を締結している事業場名や、市が立会人となった住民団体名と事業場名も掲載すべきではないか。

 

【当局答弁】

 重要な情報は、地域の方々に提供しなければならないと考えているので、今後は『富士市の環境』に公害防止に向けての協定書や覚書などの締結一覧を掲載していく。

 

 この答弁を受けて、「住民団体名と事業場名の公表は、市民の知る権利の基本、第一歩であり、掲載する以上、早急に取り組むべき。来年度、平成29年度版から取り組むべきでないか」と再質問。担当部長から「平成29年度版から取り組む」との明快な答弁がありました。

 

 

【質問2点目】

 市民の知る権利について富士市は、平成2年12月1日に県内他市に先駆けて 「富士市公文書公開条例」を制定、平成15年4月からは、より開かれた市政を目指して同条例を全部改正した「富士市情報公開条例」をもって総務課が担当課となって対応している。

 かように制度上は、市民の知る権利は確立されているが、こうした状況下、 環境保全に関して、その防止に向けての協定や覚書の締結に至らなくても、市が立会人になっての地域住民と事業場の話し合いの場で市が記録した議事録などは公文書扱いになるのか。また、「富士市情報公開条例」に基づく公開請求の対象になるのか。

 

【当局答弁】

 富士市情報公開条例第2条第2号では、公文書の定義を「実施機関の職員が職務上作成し、または取得した文書、図面(とが)及び電磁的記録であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして当該実施機関が保有しているもの」と定めている。職員が外部から入手した資料も公文書として取り扱っている。

 質問の、地域住民と事業場との話し合いの場に職員が立ち合い、その際に作成した議事録も、職員が職務上、作成した文書であり、情報公開制度に基づく公文書公開請求の対象にもなると考えている。

 

 この答弁を基本的に了承、その上で「我が国では、平成6年10月1日に行政手続法が施行されている。行政運営における公正の確保と透明性の向上を図ることが目的とされているが、事業場などに不利益処分をする場合、行政側には、その理由の明示だけでなく、事業場などに弁明の機会や意見陳述の場を与えることも責務となっている。国レベルの行政手続法及び地方公共団体における運用ルールである行政手続条例は、許認可事務における公正の確保と透明性の向上が目的であるものの、その適用が行政指導にも及ぶことから『行政指導の形骸化、無力化を招く、制限される』といった不安が指摘されている。よって企業の事業計画が法的にクリアしている場合、行政指導をもっての締結や覚書といった明確な約束事の締結は難しくなり、不安を抱く地域住民側にできることは事業場との話し合いの場に行政機関である市に立会人になってもらい、口頭での約束事を一緒に受け止めてもらうこと。それゆえ、立ち合いの場に臨んだ市の議事録は、従来にも増して重さを持つ、そう判断している。 そうした認識をもって取り組むことを願いたい」と要望しました。

 

 

【質問3点目】

「富士市公文書管理規則」第6条では保存期間を定め、法令その他別に定めがあるもののほかは、別表をもって1年、3年、5年、10年、永年と5つに区分しているが、議事録の保存期間の区分判定や、その保存方法は総務課が一括して担っているのか。各課に委ねられている公文書扱いの議事録も存在するならば、全庁統一して対応していく区分判定と保存方法のマニュアルはあるのか。

 

【当局答弁】

 文書の適正管理のためにファイリングシステムを導入、文書の保管は所管課のキャビネットを利用。長期にわたる保管が必要な文書については、総務課に文書を引き継ぎ、伝法書庫等に保管する流れとなっている。

 保存期間については、1年から永年までの5つの区分に分け、基準により所管課が公文書の種類や重要度を判断、保存期間を定めている。

 保存方法や区分については「文書事務の手引き」を作成、新規採用職員研修の教材としているほか、イントラネットにも電子データを掲載し、職員が常に閲覧できる環境を整えている。

 

 

【質問4点目】

 有害物質の代表格的なものとされるダイオキン類による環境汚染や健康への悪影響はベトナム戦争におけるオレンジ剤による枯葉作戦に端を発し、吹き付けアスベストの使用禁止は昭和50年9月など、その歴史を振り返れば、今後も新たな有害物質の認定と、その対応が予想される。

 市民の命を守る基礎自治体としては、環境対策及び環境保全に向けて専門的な知識を有する人材の確保が必要となるが、今後、どう対応、育成していくのか。

 

【当局答弁】

 国や県、専門機関が実施する技術研修や、取り組み事例の研究を行う静岡県都市環境行政研究会に職員を派遣し、知識の取得や技能の向上を図っている。

 今後も引き続き専門的な研修に職員を派遣し、専門性のある職員が必要となった際には、任期付き職員として採用するほか、退職者の再任用にあたっては、これまで培った知識経験を活用し、活躍できる部署への配置を行っていく。

 

 

【質問5点目】

 富士市は、表題を『富士市の環境』とする環境・公害に関する年次報告書を発行、配布しているものの、年次の報告書であることから、これまでの公害との闘いや負の遺産の現況などを把握することはでない。

 こうした状況下、富士市は市制50周年を捉えて新市史の編さん作業に取り組んでいる。その作業の線上で、平成25年3月1日に発行した『過去に学ぶ 富士の災害史』に続く、第2弾の分野別郷土史として、市民の知る権利の側面から『仮称・富士の環境史』の編さん、発行に取り組む考えはないか。

 

【当局答弁】

 新たに、古代まで遡った富士市の歴史や民族等を記述した総合的な市史の編さん業務の必要は認識している。

 長期的な視野に立ち、環境などの分野別郷土史の編さん、発行も含めて検討していく。

 

 答弁を受けたものの、いま一つスッキリしなかったことから、「今後の内部における検討で分野別の取り組み順番や取り組みの年次計画などで一定の方向性が出たなら報告してほしい。報告の内容次第で、この問題を再度、一般質問で取り上げたいと思っている」と伝え、さらに、要望した環境史については、記録や資料が散失しない間に取り組む必要性、重要性を力説しながら、「公害と克服に向けての取り組みを正確に記録し、その歴史を真摯に学ぶことが再発防止の第一歩、基本になる」といったことを主張して質問を閉じました。

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