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音楽でつながった絆、富士市内のコーラス団体・静鈴会と宮古吹奏楽団が交流演奏会

 3月19日の日曜日、富士市中央町のラ・ホール富士で市内のコーラスサークル、静鈴会(主宰者・後藤静代さん)と岩手県宮古市の宮古吹奏楽団(小野寺文雄団長)の「交流演奏会」が開かれました。東日本大震災の復興支援を通して“音楽でつながった絆”による演奏会で、ホールには感動・感激の輪が広がりました。由あって演奏会実現に関わった1人として、うれしく、そして、前に進むことのできる、明日への扉、未来への扉を開けることのできる音楽の力、それも実感した1日でした。

 

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            客席は満席でした

 

 2011年3月11日に発生、津波による未曾有の被害をもたらした東日本大震災で宮古市も甚大な被害を生じ、宮古吹奏楽団は多くの楽器を失い、活動休止に追い込まれています。

 

 静鈴会では、「コーラス活動を復興支援に結び付けたい」と市や市社会福祉協議会に相談する中、宮古吹奏楽団の活動休止を知り、演奏会で募金を呼び掛け、賛同者も相次ぎ、第1弾としてトーンチャイムを寄贈。これ以降、活動再開後の宮古吹奏楽団の定期演奏会に賛助出演するなど交流を重ねていました。

 

 宮古吹奏楽団からは「ご支援のお礼として富士市に…」の申し出があり、昨年9月に「交流演奏会」が企画されたものの、今度は台風10号により宮古市に甚大な被害があり延期に…。そうした経過を経ての今回の演奏会でした。

 

 実は、静鈴会主宰者の後藤さんのご主人は、自分、海野しょうぞうの親友でした。いや、10歳余も年上、加えて、ご主人は市職員で、長く市民相談業務や消費者保護業務に携わっていたことからローカル紙記者だった自分は取材を通して協力をいただき、さらにはプライベートでもお付き合いをいただいた恩人でした。

「…でした」の過去形としているのは、ご主人は20年余前、50歳の若さで亡くなっています。一家の主を失った後藤さんは、女手一つで三人の子どもを育て、頑張ってきました。

「ご主人から受けた恩の返礼を…」、そんな思いを抱き続けたものの、何一つできないままでいた中での「交流演奏会」の企画。延期を余儀なくされた9月の開催企画の会場は自分の所在区にある鷹岡まちづくりセンターであったことから観客動員に向けてのチラシ配布などのお手伝いをさせていただき、そして迎えた今回の演奏会でした。

 

 1部が静鈴会の演奏、2部が宮古吹奏楽団の演奏、3部が合同演奏という構成で、小長井義正市長も駆け付けて音楽でつながった絆をたたえました。

 

 2部の宮古吹奏楽団の演奏では、小野寺団長以下、12人の団員がフルート三重奏や管楽五重奏、サクソフォン四重奏を織り交ぜながらディズニーナンバーや『上を向いて歩こう』『花は咲く』など広く知られた曲を届け、団員によるダンスの披露も…。

 

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        宮古吹奏楽団の演奏です

 

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復興支援のお礼を述べる小野寺団長

 

 3部の合同演奏では『富士山』『みかんの花咲く丘』『花』『故郷』などを届け、静鈴会のリードで観客からも歌声があがり、ホールが一体となった演奏会に…。

 

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             合同演奏です

 

 アンコールでは、小野寺団長のオカリナのソロ演奏で静鈴会が『今日の日はさよなら』を歌い上げましたが、3部から一転、哀調を帯びたオカリナの音と、「いつまでも絶えることなく…」「また会う日まで…」の歌詞が会場に静かに流れ、観客は、それを「記憶にとどめよう」、そんな感じで聞き入っていました。

 

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         アンコールの演奏です

 

 多分、アンコール前にお礼に立った小野寺団長の、涙を浮かべながらの、この言葉が胸にズシリときていたからかもしれません。自分も、その1人でした。

 

「宮古市は復興が進んでいますが、心の復興は進んでいません。私達の団員もクラリネットを担当していた、まだ20歳だった女性がお母さんと津波にのまれました。お母さんのご遺体は見つかりましたが、彼女は、まだ見つかっていません」

 

 改めて「3・11を決して忘れない。忘れてはならない」を胸に刻んだ演奏会でした。

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