先日開かれた富士市議会の決算委員会での事。35の施策からなる『都市活力再生戦略』の進行管理に対しての、ある委員(議員)の意見、富士市の魅力を発信するシティプロ―モーションに関して「今、NHK連続テレビ小説に富士市が登場している。これを(全国に…)売り込むべきだ」がありました。
その意見に「そうだ、そうだ」。もちろん、言葉ではなく胸の中で叫んだのですが、ふと、情報発信のブログとフェイスブックのツールを有している身、「議員だって取り組まなければ…」と反省、先日、テレビに流れる映像場所を訪ねてきました。ここに紹介します。
NHK連続テレビ小説の番組名は『ひよっこ』。4月3日に放映開始、9月30日まで全156回の予定です。
放映は、NHK総合で、月曜日から土曜日の午前8時00分〜8時15分、再放送が午後0時45分〜1時00分、ダイジェスト版が日曜日午前11時00分〜11時20分。
番組スタートの画面です
ドラマの前半の舞台は、1964年(昭和39年)の東京オリンピック後の東京・墨田区のトランジスタラジオを造る工場「向島電機」。
実力派女優の有村架純(ありむら・かすみ)が演じるヒロイン、谷田部みね子は、茨城県の北西部にある山間の村の農家に生まれ育った、おっとり、のんびりした性格。村の生活が大好きで、高校卒業後は祖父や母を手伝って畑仕事を頑張るつもりだったものの、東京に出稼ぎに行った父が行方不明になってしまったことから「東京に行けば、いつか父に会えるかもしれない」と集団就職で上京することを決意、「向島電機」で働きはじめます。
有村架純演じるヒロインの谷田部みね子です
みね子にとって初めて見る東京は、想像をはるかに超えた大都会で戸惑うことばかり。低賃金に長時間労働。待ち受けていた現実に時々くじけそうになるも東北各地から上京してきた寮の仲間たちや舎監さんが心の支えとなり、泣き笑いの日々の中、さまざまな出会いと別れを経験しながら試練を乗り越え、見知らぬ町だった東京にしっかりと根を張っていきます。
しかし、オリンピック好景気の反動や大手による大量生産などの余波を受けて「向島電機」は経営危機に陥り、1965年(昭和40年)12月20日に生産を中止。これからひと騒動が…というのが先週までの放映分です。
実は、今年2月頃、ロケ隊の受け入れとロケのサポート活動を続けているNPO法人フィルムコミッション富士のKさんから「今、富士市でNHK連続テレビ小説のロケをやっている」と聞いたのですが、業界のルールから、その内容は極秘でした。
4月に放映が開始されると、番組冒頭の字幕スーパーに「撮影協力 静岡県富士市」とあることから、数人の方から「富士市のどこ…?」との質問を受け、「ああ、これがKさんの言っていた番組だ」と納得。
富士市協力を伝える字幕スーパーです
納得するも、質問を受けるまで番組を視聴していなかったことから、早速、視聴。すぐに場所が判明しました。
番組に最も多く登場する「向島電機」に隣接する道路と清流が流れる川の場所は原田地区で、「向島電機」は製紙工場、清流が流れる川は滝川です。
「すぐに場所が判明…」は、この場所の近くに知人が住んでおり、何回となく車で通った場所だからです。
登場する「向島電機」の所在地図です
番組に登場する製紙工場の事務所ビルです
番組では「向島電機」の事務所に…
工場に隣接する清流が流れる川と道路が…
番組では、こんな感じで流れました
多分、番組内で放映される工場内部も富士市内、そして、先週、字幕が『1965/昭和40年12月20日 工場最後の日』と伝えた背景にある港の映像は田子の浦港。富士山の稜線が半分、薄っすらと写っています。
舞台に設定された隅田区は海に接しておらず、港の映像に「?」と思うものの、「まっ、いいか」です。
この場面も富士市内…?
田子の浦港ですよネ、この画面
ドラマの前半で「向島電機」倒産、機械も売却へ。今後のドラマの展開は…、そして富士市が、今後も登場するか、どうかは分かりません。
さて、この高視聴率をキープしているNHK連続テレビ小説に富士市が登場しても、ドラマの舞台が東京都の墨田区の中小工場。加えて時代設定が昭和40年代であることから、直接的に富士市の魅力の発信に結び付くとはいえませんが、首都圏からの交通の利便性が高く、行政に加えてフィルムコミッション富士など民間サイドの受け入れも整っていることから今後もテレビ・映画などのロケが相次ぐことが予想されます。
富士市が今回のNHK連続テレビ小説のロケ地となったことは、今後のロケ隊誘導へのボーナスポイントとなり、今後、ロケが相次げば、必ずや風光明媚な富士市の魅力の発信に…。そうなることを信じています。
個人的には、「番組は9月まで続くことから早急に新幹線利用客向けに、背後に富士山が聳える浮島の田園地帯あたりへ『NHK連続テレビ小説・ひよっこのロケ地・富士市』の看板を立ててはどうか…」と思うのですが、お役所仕事は「予算を確保してから事業へ」が基本であることから、ちと、無理かな…。