子ども達の夏休み入りと共に地域の公園などを会場にしてのラジオ体操の輪が広がっています。
時間への観念が希薄となり、ダラダラと過ごすことにもなりかねない中、規則正しい生活や健康づくりのために早朝6時30分からのNHKラジオ番組『ラジオ体操』に合わせての取り組み。素晴らしいと思っていますが、先日の購読ローカル紙(富士ニュース)の富士宮版に「ラジオ体操を実施する自治会に奨励金支給」の記事が掲載され、見出しを見た時点で「エッ!」。戸惑いながら記事を読み進めました。
自分の所在地域でも行われています、ラジオ体操
ラジオ体操出席カードです
ラジオ体操を実践する自治会を対象とした奨励金支給は富士宮市が本年度に打ち出した新規事業。
市民の健康づくりと地域のコミュニティづくりを目的にラジオ体操を継続的に実施する自治会に奨励金を交付。1回に10人以上の区民が参加すること、月に1回以上実施すること、年に20回以上実施すること、年間(4月から翌年3月)に8カ月以上実施すること、市が実施する健康増進のための事業に協力できることなどを条件に、初年度は年額2万円、2年目以降は1万円、交付は最長5年間…といった内容。
交付金を受けるには実施計画書や実績報告書の提出が必要です。
奨励金の使途について記事では、「参加者への景品に活用などしてラジオ体操の拡大や浸透、継続に役立てる」としています。
東京都の小池百合子知事が打ち出した都政運営の基本スタンスを示す『都民ファースト』が、今や地方自治体運営の代名詞的な位置付けとなり、『市民ファースト』や『地域住民ファースト』などの言葉が飛び交っています。
ラジオ体操への奨励金支給事業は、血税の直接還元となるだけに、『市民ファースト』や『地域住民ファースト』の具現施策と言えそうで、健康づくりと地域のコミュニティづくりのみならず、肥大化の一途を辿っている医療費の抑制という副次的効果も期待できそう。
自分の所在区、富士市鷹岡地区でも子ども達の夏休み入りと共に地域の公園などで子ども会が母体となってラジオ体操が行われ、今年は区長会が広く参加を呼び掛けたことから子どもだけでなく大人の参加も見られるようになっています。
のんびり屋でマイペースな孫、勝手に「きょう、お休み」なんてことを言い出すことが分かっているため、「一緒に行くぞ!」とラジオ体操会場に出向いているのですが、今後、「こうしたラジオ体操実践の継続性を担保するために自治会が運営、そのためには富士宮市のような奨励金の交付が必要ではないか」といった意見を受けそうです。
しかし、です。
富士市では、税ではありませんが、市社会福祉協議会が自治会を通して寄せられる会費を資金源に、地域の公会堂などで一人暮らし高齢者などを対象にしたボランティア運営の「ふれあい・いきいきサロン」に対して年額3万円を運営費として交付しています。
会費の直接還元ですが、運営費は、1月に1回以上とするサロン開設時の茶菓代やゲームなどの資材購入に充てられています。
つまり、ボランティアの自己負担を避けるための実費弁償で、それなりの交付根拠を有しています。
富士宮市は富士市の隣市なだけに、今後、「富士市でも…」の声が出そうなラジオ体操への奨励金の交付、「その交付根拠とは…」、頭の痛い問題となりそうです。