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ガックリ、田子の浦港の津波対策、完全防災から減災へ!

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 会期中の富士市議会9月定例会は、きょう26日から補正予算など委員会付託議案の審査を開始。自分、海野しょうぞうが所属する環境経済委員会も26日開き、付託議案の審査後、委員会を委員会協議会に切り替え、当局から今後予定する重要案件の報告を受けました。

 その中には「田子の浦港周辺津波対策事業」があり、これまでの「概ね数百年から千年に1回程度の頻度で発生」とされる南海トラフ巨大地震をにらんだレベル2の津波に対応するために目指してきた“完全防災”を「費用に見合う効果が得られない」という調査結果を受けて“減災”に転換して計画の策定に取り組む方針が示されました。

 

 この方向転換、レベル2の津波対応を「日本一、津波に強いまち・富士市への挑戦」と受け止めてきただけに「ガックリ」、その一言に尽きます。

 

 長文になりますが、その「ガックリ」の理由を…。

 

 国は2011年3月11日に発生した東日本大震災で甚大な津波被害が生じたことを受けて、その対策指針の策定に乗り出し、中央防災会議は2011年9月28日、「東北地方太平洋沖地震を教訓として地震・津波対策に関する専門調査会報告書」を公表、これをもとに2011年12月に「人の命が第一」、「災害に上限はない」を基本ベースにした「津波防災地域づくりに関する法律」が成立しています。

 

 想定する津波は、「概ね数十年から百数十年に1回程度の頻度で発生する」とされるレベル1と、「概ね数百年から千年に1回程度の頻度で発生」とされるレベル2が示され、沿岸地域を抱える各地方自治体では想定する津波高をもとに対策を進めることになっています。

 

 理想的にはレベル2の津波に対応できる“完全防災”であるものの、津波対策に全く手つかずの地方自治体も多く、「レベル1の津波対策に取り組み始めている」といった状況です。

 

 東日本大震災の被災地でも、震災発生2年後に会派視察で訪れた岩手県大槌町では、対応して下さった副町長が「できれば巨大地震の東日本大震災にも対応できるレベル2の津波対策に取り組みたいが、費用、そして時間的にもレベル1の津波対策が現実的。その考えで“減災”に向けて防潮堤などの工事を進めている」と話されていました。

 

 こうした状況下、富士市では、度重なる台風による高潮被害への対応として沿岸部に高さ17辰遼苗堤が築かれており、これに想定津波高からもレベル1の津波対策はクリア。

 この都市としてハード面の優位性に立脚して富士市は“完全防災”のレベル2の津波対策を目指し、津波襲来が予想される田子の浦港と、その周辺の津波対策計画を立案。これを原案として2014年5月19日に設立された官民一体組織の田子の浦港振興ビジョン推進協議会と、協議会のワーキンググループである防災対策部会が具体的な検討に乗り出していました。

 

 原案では、レベル2の津波で田子の浦港に襲来する津波を防御するために港湾を囲む高さ2叩長さ2,740辰遼苗堤を築造するほか道路500辰鮨鷯紊押■隠乾所に陸閘(りくこう)などを設置、その概算事業費は46億円としていました。

 

 しかし、検討を重ねる中、新たに津波の河川遡上への対応などが必要となり、46億円としていた概算事業費は160億円に膨れ上がり、これに建設20年をかけた後の50年間の維持管理費48億円を含めると208億円に…。

 さらに、このビッグ事業によってもたらされる社会的便益の効果との比較をシミュにレーションした結果、「かかる費用に見合うだけの効果が全く得られない」という結果が出されています。

 

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            委員会資料から

 

 これらの試算と結果を受けた8月30日開催の第7回防災対策部会は、今後の方針を協議、これまでの“完全防災”という考え方から“減災”という方向に舵を切ることとし、その対策メニューや手段について今後、議論を深めていくことを決しています。

 

 きょう26日の委員会協議会で市の担当部署である産業政策課港湾振興室が、その方向転換を報告したものです。

 

 ただ、委員会協議会で示された資料のうち「要求性能、対策メニュー、手段のロジックツリー」では、新たな方向である“減災”については、避難のソフト対策のほか威力を弱めるためのハード対策も残されており、津波レベルは「2」と「1」の間の「レベル1を超える津波」としています。

 

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      委員会資料、手段のロジックツリー

 

 県では、津波対策として『静岡方式』を打ち出し、「レベル2の津波による被害を軽減する施設、静岡モデルを整備」としており、今回の方向転換は、その『静岡方式』に符合したものといえそうです。

 

 報告を受けた委員会協議会では、これまでの取り組み方針への期待が大きかっただけに、今回の方向転換の理由や、その内容をしっかりと津波被害想定地域の皆さんに説明することを強く求めました。

 

 個人的には、沿岸部の17団號匹鬟戞璽垢法△海譴泙納茲蠢箸鵑任た避難行動計画や津波避難タワーの整備を短期計画とし、今回の『静岡方式』ともいえる「レベル1を超える津波」への対応を中期計画に位置付け、「レベル2の津波対応」を長期計画として存続。となれば、「日本一、津波に強いまち・富士市への挑戦」を全国に発信、強烈な魅力あるシティプロモーション事業になるのではないか…と思っています。

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