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富士の型染の創始者、小山もと子さんの生誕百年記念展が開催中

 多色を使う紅型(びんがた)の手法を基礎にしての独自の作風から“富士の型染”と呼ばれる、その芸術文化の創始者、小山もと子さん(2001年没、享年83歳)の『生誕百年記念寄贈品展(以下、記念展)』が、今、富士市伝法の富士山かぐや姫ミュージアム(市立博物館)で開かています。

 小山さんの創作活動と、作品のすべてを紹介した、見応えのある、「これぞ富士市の芸術文化財産だ」を実感できる展示会です。

 

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    歓迎看板です(玄関で…)

 

 5月20日(日)までの開催。午前9時から午後5時。観覧料無料。

 休館日は、4月30日(昭和の日の振り替え休日)を除く毎週月曜日。

 会期中の土、日の午前10時から午後2時まで展示会場で富士の型染グループメンバーによる展示品の解説が行われ、さらに土、日の午前10時から午後2時まで隣接する工芸棟染色室で小山さんの型紙を使用してのしおり作りも。このしおり作りの講師も富士の型染グループメンバーが担当、各日先着20人、体験料として1枚50円が必要。

 

 問い合わせは富士山かぐや姫ミュージアム(電話0545−21−3380)。

 

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           展示会会場

 

 小山もと子さんは1918年、富士宮市の呉服商の長女として出生。25歳の時に歯科医だった小山功さんと結婚し富士市民に…。1951年、33歳の時に県無形文化財で国画会会員だった和紙工芸家、後藤清吉郎氏(故人)の手ほどきを受け、染色作家としての第一歩を踏み出しています。

 

 主婦、子育て、歯科医であるご主人の仕事をサポートいう多忙な中でも染色作家の道を歩み続け、さらに、市の成人学校を土台に愛好者の広がりを図ってグループ合同の定期展に取り組み、染める喜びの輪を広げてきました。

 

 創作活動は、「台所を工房とし、染料も身近な植物から…」が基本でした。

 そして定期的な学習会で染める歓びを分かち合いながら芸術文化の生活化を図り、富士山のような、おおらかな図柄と色彩を打ち出した作品は〃富士の型染〃という固有名詞で呼ばれるほど市内外に知られる芸術文化に成長、創設者の小山もと子さん亡き後も会員が富士の型染グループとして確かな歩みを続けています。

 

 今回の記念展は、昨年11月に遺族から着物、額装などの作品や、その型紙、道具など3500点にのぼる遺品の寄贈を受けて企画されたもの。展示室1室を使用、作品だけでなく遺影や愛用の机なども展示して、在りし日の小山もと子さんを浮き彫りにしています。

 

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          着物など大作が…

 

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       こちらは額装作品です

 

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       カードなどの作品も…


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          遺影や愛用の机も…

 

 実は、自分は前職のローカル紙の記者時代、それも20代前半の駆け出し記者時代に取材で小山もと子さんと知り合いになり、取材記者を越えたお付き合いをさせていただきました。お付き合いというよりも、人生の指南を受けた恩人といった方がいいかもしれません。

 

 人生、山あり、谷ありで、30代半ば、娘2人が小学生と保育園児だった頃、妻が大病を患って長期入院、仕事の面でも監督責任や業務のIT化が突き付けられ、「すべてを投げ出し、現実から逃げ出したい」、そんな思いに駆られることも度々ありました。

 

 そんな中でグループ定期展を取材した際、こちらの心情を察してか「海野さん、元気ないじゃん」、続けて小山もと子さんが発した言葉は、理由を聞くのではなく、すべてを察したごとく「陽はまた昇りますよ。夢を描き、その実現に向けて歩きなさいよ。私も作品展示と工房を兼ねた“富士の型染会館”という夢を描き、それに向けてこれからも歩き続けていきますよ」のエールでした。

 小山もと子さん、すでに古希を迎えられた頃の話です。

 

 小山もと子さんの夢は、実現に至らず、黄泉の国に旅立たれましたが、その作品は遺されています。

 一過性の企画展で終わることなく、作品、功績、そして型染を通して人とのふれあいを大切にした人物像が未来永劫に伝わることを願っています。

「人物像が未来永劫に…」、それは小山もと子さんから多大な指南を受けた自分に突き付けられている課題でもあるのですが…。

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