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【夢消える!、駿河湾フェリーが撤退へ】

 購読紙(静岡新聞)の、きょう5月25日の夕刊1面、トップ記事の『米朝首脳会談中止』と並ぶ5段見出しで『駿河湾フェリー撤退へ』が掲載されていました。もちろん、県内紙ゆえのトップ級の扱いですが、自分にとって、この記事は衝撃的、かつ残念でした。かつて駿河湾フェリーは、田子の浦港を発着港としており、その復活の夢を描いていたからです。

 

 

 記事によれば、「駿河湾フェリー運航事業を担うエスパルスドリームフェリー(静岡市清水区)は25日午前、清水港と土肥港(伊豆市)を結んでいる駿河湾フェリー事業から2019年3月末で撤退すると発表した。燃料費や維持管理費などの多大なコストを賄うだけの売り上げの確保が難しく、2005年8月期から事業赤字が続いていた」。

 

 駿河湾フェリーの前身は、地元資本の運航会社が1971年に田子の浦港と土肥港間に就航した駿河湾カーフェリーでした。

 この年、田子の浦港のヘドロ処理事業が開始されており、「公害のデパート・富士市が公害から決別する、新たな船出」、そんな思いで受け止めたことを覚えています。

 

 自分は、まだ学生で、物珍しもあって帰郷した夏、友人らとJR吉原駅から徒歩で田子の浦港に向かい、フェリーに乗船して伊豆西海岸に泳ぎにいったことがあります。

 

 当時は、「あまぎ」と「しらいと」の2隻で運航。その後、業績不振で1998年に駿河湾カーフェリーの運航会社は廃業し静岡観光汽船(現:エスパルスドリームフェリー)に営業権を譲渡、名称は西伊豆フェリーに変わったものの田子の浦港−土肥港の運航区間は継続。新造船の「駿河」も投入され、所要時間が従来の90分が55分に短縮されています。

 

 しかし、2002年、運航会社は運航区間を田子の浦港−土肥港から現在の清水港−土肥港に変更、名称も現在の駿河湾フェリーとなっています。

 

 以後、静岡と伊豆をつなぐ周遊観光ルートの役割を担い、2005年に新造船の「富士」が投入され、2013年には、その就航区間が静岡県初の海上県道「県道223号清水港土肥線」として認定されています。

 

 一方、フェリーの発着に終止符が打たれたものの、田子の浦港は2013年の富士山の世界文化遺産を追い風にする形で富士市を代表する人気スポットに成長しています。

 

 特産水産物で“田子の浦しらす”と呼ばれるしらすを活かした「しらす街道」の設定や「漁協食堂」の開設、「しらす祭り」の開催などの取り組みが人気を集め、それらの取り組みが実る形で“田子の浦しらす”は2017年6月23日に地域で長年育まれた特別な生産方法によって高い品質や評価を獲得している農林水産物・食品の名称を国に登録し保護する地理的表示保護制度(GI:Geographical Indication、通称・GI登録産品)に登録されています。日本では第36号の登録でした(2018年4月9日現在の登録は62産品)。

 

 港の西側一帯には、県によって港湾整備工事で発生した浚渫(しゅんせつ)土砂を利用した「ふじのくに田子の浦みなと公園」が整備され、今年に入って、その仕上げとなる展望施設「富士山ドラゴンタワー」が誕生。同公園は富士市が設定した「富士山登山ルート3776」の起点ともなっています。

 

 このほか、市は新たな港の魅力づくりとして水陸両用バスの実証実験を開始、客船の誘致にも乗り出しています。田子の浦港は夜景スポットとしても人気上昇中です。

 

 富士市は、ここ十数年、あの手この手の観光振興策を打ち出してきましたが、田子の浦港を象徴的な存在として、ようやく成果が出てきた、そんな感じで、特に注目すべきは田子の浦港の魅力が市民にも認知され、愛されていることです。

 ハード面の整備だけでなく、地元の皆さんのイベントなどを通しての歓迎の気持ち、そうしたソフト面も人気スポットへの展開に大きな力になっていることは言うまでもありません。

 

 こうした状況から「近い将来、田子の浦港発着のフェリーが復活、土肥港を超えた今年4月17日に国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)から国内9地域目の世界ジオパークに認定された伊豆半島ジオパークとの連携により、さらに魅力アップが図れるのでは…」、そんな夢を描いていました。

 

 ゆえに今回の『駿河湾フェリー撤回へ』の記事にガックリですが、夕刻のテレビニュースで静岡県の川勝平太知事は、「存続させたい」との意向を語っています。県政力、それを期待したいのですが…。

 

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