<< 素晴らしい伝統行事、久沢北区の“振りたまつ” | main | あおり運転&暴行の殺人鬼に寛大な?日本 >>
74回目の終戦記念日に戦死した叔父2人に捧ぐ

 8月13日の盆入りに実家の菩提寺である富士市岩本の日蓮宗実相寺へ、そして74回目の終戦記念日である、きょう15日にはロゼシアター中ホールで開かれた市主催の「戦没者追悼式」に参列、その後、ロゼ展示室で開催中の「第32回平和のための富士戦争展(以下、「戦争展」という。)を見させていただきました。

 毎年の恒例行動であるものの、一つだけ違うのは墓参り。5人兄弟の末っ子で、いつもは実家の仏壇に手を合わせるだけ、盆入り日の墓参りは「この前は、いつだったか」と記憶にないほど久々でした。

 終戦記念日に向けてのテレビ番組でのこと、戦争体験者が語った「大切な人の命を突然、理不尽に奪われた悲しみを経験した私達が次の世代に伝え共有していくことが重要であり、かつ責務と思って必死に語り部役を担ってきたが、私達は高齢化、語り部は次々と亡くなっている。次の世代に継承してほしい」の言葉が胸を打ち、「戦死した叔父2人に向き合わねば…」、そんな思いが募ったためです。

 

ブログDSC06804.JPG

 

ブログDSC06805.JPG

 

ブログDSC06798.JPG

            実相寺にて…

 

 自分の出生年は1952年(昭和27年)、戦後生まれです。

 長兄だった父の弟2人が戦死したことは知っていたものの、父が戦地で腹部を貫通、体の傷以上に心にも大きな傷を受けたためか、子供の前で叔父2人について、そして戦争そのものについても語ることはありませんでした。そして50年前、父は自分が高校2年の時に癌で死んでいます。

 

 漠然とした叔父2人の戦死、そして戦争。それに向き合うことができる唯一の手段は墓でした。

 

 実家の墓には、先祖代々のお骨を納めた石塔2塔と墓誌のほか、立派な慰霊碑もあります。その慰霊碑は戦死した叔父2人の戦死を後世に伝えるものですが、これまで何か刻まれているか、じっくりと見詰めたことがありませんでした。

 

 石碑には、こう刻まれていました。

 

■ 陸軍伍長  海野 稔 昭和二十年六月八日、フィリピンルソン島で戦死、享年二十七歳

■ 陸軍一等兵 海野 勝 昭和十九年七月三十一日、太平洋で戦死、享年二十四歳

 

 さらに慰霊碑には、建立年月日が「昭和三十二年六月」、建立者が「海野つぎ」と刻まれていました。「海野つぎ」は、その翌年の1958年(昭和33年)に黄泉の国に旅立った自分の祖母、叔父2人の母です。

 

 建立は叔父2人が戦死してから10年以上を経過、祖父が亡くなってから6年後のことです。

 南方での戦死。当然、実家に届いたのは戦死を告げる紙切れのみ。祖父母は、共に20代だった息子2人の死を受け入れることができなかったのか、それとも貧農故の経済的な問題もあって慰霊碑建立が遅れたのか…。

 建立年月から「年齢的に死期を悟った祖母が若くして戦死した我が子のために一念発起したのでは…」、そんな思いが澎湃(ほうはい)として沸き起こってきました。

 

ブログDSC06796.JPG

       向かって右が叔父2人の慰霊碑です

 

 きょう15日の市主催の「戦没者追悼式」は、市議会議員としての参列でしたが、献花にあたっては遺影写真で知る叔父2人を思い描き、祖父母の無念さにも思いを馳せながら献花台に一礼してきました。

 

ブログIMG_0379.jpg

富士市議会は公務で参加・参列した式典などの場合、写真などの撮影は“自粛”となっているため開式前です

 

「戦没者追悼式」の参列後に訪れた「戦争展」でも同様の思いで展示物に見入り、主催の平和富士市民の会の皆さんの熱意、尽力に心打たれるものがありました。

 

ブログDSC06846.JPG

 

ブログDSC06848.JPG

「戦争展」は18日(日)までの開催で午前9時から午後5時。入場は無料です

 

 NHK記者出身のノンフィクション作家、柳田邦男氏は、終戦記念日に寄せる手記で、戦争体験者の立場から「国の圧倒的大半を占める戦後世代の怖さは、理屈や机上の理論で戦争を考えることにある」と記しています。

 慰霊碑と遺影写真でしか知ることができないものの、叔父2人が戦死という厳然たる史実を有する者として理屈や机上の理論を超えて「戦争とは…」を見詰め、考えていきたいと思っています。

| - | 21:37 | comments(0) | - |
コメント
コメントする









CALENDAR
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT