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産業文化都市・富士市パート1(潤井川大橋)

 まず、先に、長文で恐縮です。

 

 アリスのヒット曲『帰らざる日々』に「夕暮れが近づいてくる 私の人生の…」のフレーズがありますが、フレーズと同様に人生の夕暮れが近づいてきた“初老市民”の年代になったこともあってか、このところ、産業文化都市に向けて富士市が輝いていた時代が懐かしく思い出されます。

 自分は、市議会議員職を仰せつかる前、1975年から2006年までの30年余、ローカル紙の記者で、その記者時代の1983年11月1日、市民の総意で『富士市民憲章』が制定されています。

『富士市民憲章』は、前文で「歴史と伝統を受け継ぎ、明日に向かって豊かな産業と文化のまちづくりをするために…」に掲げ、これを受け、いずれも「富士山のように…」とはじまる市民としてのあるべき行動目標を示す5カ条から成り立っています。

 つまり、産業文化都市・富士市に向けての市民共通の道しるべ、それが『富士市民憲章』です。

 時代は、原油価格の高騰によるオイルショックがあったものの総じて日本経済が成長、そしてバブル経済へ。この時代、行政施策において産業文化都市・富士市に向けてのさまざまな取り組みがありました。ソフト面だけでなくハード面でも…。

 今、社会保障費の増大を招く高齢社会と人口減少を招く少子化が加速度的に進み、ハード面の整備は機能面のみを重視せざるを得ない状況となっていますが、かつての産業文化都市に向けてのハード面の取り組みは富士市が後世に伝え、残すべき貴重な郷土遺産、そんな思いを抱いています。

 記者時代の記憶を辿りながら取材で知り得た貴重な富士市の産業文化都市の遺産を見詰め、記録に残そうと思います。「忘却の彼方に置き去りにしてほしくない」の願いを込めて…。

 題して『産業文化都市・富士市』。パート1は「潤井川大橋」です。

 

    潤井川大橋

 

 潤井川大橋は、1982年から3カ年の継続事業で吉原地区と富士地区を結ぶ都市計画道路臨港富士線(道路愛称名:青葉通り)に中部土地区画整理事業の一環として建設されたもので、総事業費は6億8、600万円、開通は1984年8月1日でした。

 長さ50.8叩幅34.5叩C羆にアーチをかけ、ここから支線を出して吊り橋の原理を利用して支える鋼床板単弦ローゼ橋方式を採用した巨大なアーチ形。当時、全国的にも「4例目」という珍しい工法と、その形態から「ローゼ橋」とも呼ばれています。

 

ブログローゼ橋GetPrintImage.png

 

ブログDSC06843.JPG

 

 この潤井川大橋に対しても『富士市民憲章』が謳う産業文化都市を具現する取り組みがあり、富士山眺望の地であることから歩道スペースを十分にとり休憩のためのベンチも設置。さらに文化の香りづけとして裸婦のブロンズ像4体が設置されています。

 

 その作者、題名、設置年は、アップした順に…

 

ブログDSC06828.JPG

➀ 作者:重岡建治氏  題名:「翔(はばたき)」(1984年)

 

ブログDSC06832.JPG

◆〆郤圈Ь湘塚宜氏  題名:「求心(思いやり)」(1984年)

 

ブログDSC06838.JPG

 作者:重岡建治氏  題名:「力(たくましく)」(1984年)

 

ブログDSC06842.JPG

ぁ〆郤圈Ь湘塚宜氏  題名:「秀麗(美しく)」(1984年)

 

 重岡氏は伊東市、松田氏は藤枝市に在住していた県内の中堅彫刻家でした。

 

 これらの作品、『富士市民憲章』が謳う市民としてのあるべき行動目標をテーマにしたものですが、潤井川大橋開通時のお披露目の際、ブロンズ像の作品紹介で、その作品意図が伝えられた際の出席者の反応は一様に「?」でした。取材していた自分も「?」でした。

 

 作品の統一性を図るためか4体とも裸婦像で、市民としてのあるべき行動目標と結び付けられるのは、鳩らしきものを両手に掲げていることから「平和」を連想できる1体のみ。
 それ以前の疑問として『富士市民憲章』が謳う市民としてあるべき行動目標は、「平和」のほか「福祉」「自然(環境保護)」「教育」「勤労」とに分けての5カ条から成っているのに対して、「5体ではなく、なぜ4体なのか」があったからです。

 

 しかし、そうした疑問は大きなうねりにはなりませんでした。

 というのも橋にブロンズ像という芸術作品が組み込まれたのは富士市では初の取り組みであり、テーマ云々より、それ自体に人々の注目が集まったからです。

 

 文化の香り付けをはかった橋の誕生から35年を経過。今、振り返って、「多分、制作者の2人は、『富士市民憲章』が謳う市民としてあるべき行動目標を形としてはなく、そのすべてを咀嚼(そしゃく)、その思い、芸術的に言えば魂を作品に吹き込んだのでは…」と受け止めています。

 

 

(※)この『産業文化都市・富士市』は不定期となりますがシリーズで書き続ていきます。

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